日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

石ころの歌  1962年 英映画社

監督 堀内甲 脚本 堀内甲 鈴木政男 原作 鈴木政男

出演 堀勝之祐 渡辺文雄 本間文子 清水一郎 金井大

 

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出演者の中で知った顔は2,3人いたが名前まで知っていたのは渡辺文雄ただ一人だった。

 

ここで主役を演じている若者、堀勝之という人は声優として知られているらしい。

また彼の母親役は結構見る顔だったが、本間文子という女優さんだ。

そして清水一郎は彼の父役だった。そーか・・・。もうひとり昔のテレビドラマとか時代劇で見た男優さんがダムの現場で働く人だったが、名前がわからず、ひとつずつ検索していく・・・金井大という人だった。

 

 

農家の次男坊の雄三は中学卒業後、町へ出てトラック運転手になろうと運送会社で下働きをしたが社長?と喧嘩して会社を辞めてしまう。その彼が実家へ帰るために歩いているところから始まる。ちょうど「マイトガイ」とか赤木圭一郎人気もあってかこの堀勝之祐という人かなりそんな雰囲気。

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運送会社を辞めたいきさつなんかは家での会話でわかる。なかなか脚本も良い。

 

家に帰っても父親は良い顔をしない。長男は近々嫁をとり、下の弟は高校へ行きたいと言っている。母は優しいがやはり隣近所の口が気になるようだ。

 

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堀勝之祐

 

彼も自分が何をしたいのかよくわからない。いっそのこと東京へでてしまおうかと考えたりもする。

ある日、父親が隣村の農家へ婿へ行かないかという。彼は反発し父に対してそれまで溜まっていた文句を言う。中学卒業して家の開墾を手伝うように言われ一生懸命やったがそれが終わればお払い箱にされたというのだ。

そして自分のことは自分で考えるのだと彼は山へ入り営林で働くことにする。

山で一生懸命働くうちにだんだん明るくなる彼。

そこには彼と同年代の親方の息子もいるが、その息子は自分はこんな山で一生終わりたくないと考えている。

ある日その息子が大けがをした。山の仕事は危険なのだ。

 

彼は助けを呼びに隣の山でダム工事をしている現場を目指して駆ける。そこへ運よくダム現場のジープが通りがかった。頼み込んでジープに載せてもらい、無事友人はそのダム現場で療養することになった。彼は付き添いで泊まりこむ。

ダムの飯場には色々な男たちがいる。それを指揮するのが渡辺文雄

ブルドーザーやショベルカーを見て彼は目を輝かせる。ずっと何もしないのもなんなので彼は土工としてダム現場で石を運ぶのだ。

 

ブルドーザーの運転をしている男は自分がこんな山の中にいることが気に入らず、月給日の夜には町へひとり遊びに行ったりするが、ブルドーザーの運転を誤り、土工へ格下げされてしまう。憤懣やるかたなく、彼は土工として働いている主人公を馬鹿にするようなことをいうので取っ組み合いの喧嘩になる。

 

そしてその男は行方をくらましてしまうのだ。

 

主人公の若者の様子を見ていた渡辺文雄は彼にオペレーターをしないかと声をかける。

目を輝かせる彼。

 

そしてけがをして療養していた親方の息子は、山の仕事がおもしろくないと行方をくらました男と接して自分の考えを改め、山で生きる決心をするのだった。

 

そうだ、工事現場にはもうひとり知った顔があった。↓真ん中の人。名前がわからない。

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すっかり良くなった友人を見送る。