日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

ウンベルトD  1952年 イタリア映画

出演者の殆どが素人とwikiにあります。

監督 ヴィットリオ・デ・シーカ 

 

70才の主人公は愛犬とともにアパート(家主の住む三階の一室)に暮らしているが年金が少なく、家賃を4か月滞納している。彼は年金をあげろというデモに参加したり、自分の懐中時計を二つあるから(多分 一つしかない)買わないか?と同じ老人に持ち掛けたりする。

アパートに帰ると家主の女性が出て行けと言われ、彼はなんとかしようと街へ出て知り合いに声をかけ借金を申し込むが皆逃げるように行ってしまう。

 

愛読書と懐中時計を売り家賃の一部を入れようとするが、家主は全額支払えとケンもホロロな対応。家主は勝手に彼の部屋の模様替えをする始末。

 

絶対居座ってやるという彼。街で物乞いをする男を見かけ、自分も手を出してお金をもらおうとするができず、愛犬に帽子をくわえさせ、自分は物陰から見ている始末。そこへ知り合いが通りがかるとそそくさとその場を立ち去るのだ。

 

工事途中のひどい部屋で、彼は具合が悪く病院へ運ばれる。その間、彼の愛犬は家主のメイドの女の子へ預け、入院するが一晩?すごした程度で医者は良くなったから退院しろという。彼の隣のベッドの男は入院を延ばすためにシスターにすり寄る。その方法を彼に教えてもらい二人はしばらく病院で過ごすことができた。退院時、その男はまた入院するのだと意気揚々と引き上げていく。

 

ところが愛犬がいないという。驚いた彼は動物保護施設へタクシーで行くがあいにく細かいお札がなく釣りはないと言われそれをくずすために古物?市場の一軒でくずして欲しい頼むが断られ、仕方なくコップを一個買うことになる。タクシーへ料金を払おうとする時にそのコップがじゃまになり彼はそのコップを投げ捨てて粉々にしたりする。

慌てて施設へ行った彼の目に飛び込んだのは殺処分される犬たち・・・。

一生懸命愛犬を探す・・・すると愛犬は野犬狩りでやはり捕らえられていてケージの中にいた。

 

結局、家をでることにした彼・・・愛犬の行く末を考えて個人?で犬を預かっている家へ行く。そこの夫婦ものの話を聞くがどうも預かった犬をかわいがっている様子もなく、お金ばかり興味があるような素振り・・・いったん持っているお金全てとトランクの中身全てをあげて愛犬の面倒をみてもらおうとするが、そばで預かっていると思われる犬がぎゃんぎゃん吠えてそのたびに彼の愛犬が怖がるので辞める。するとその夫婦ものは時間の無駄になるようなことはするなと怒るのだ。

 

行く先もなく、子供達の遊ぶ公園?へ来た彼。今度は子供に愛犬をあげようとする。

子供は大喜びだが母親が来て反対され、愛犬を捨てて行こうとして草陰に隠れるが愛犬に見つけられ、彼は愛犬を抱きかかえて警報機のなる踏切へ・・・。

びっくりして逃げようとする愛犬・・・結局死ぬこともできず、愛犬はそんな飼い主を怖れ公園に逃げ帰り飼い主が呼んでも来ようとしない。

 

悪かったと思った彼は愛犬が好きなボール遊びで呼び寄せようとするのだ。

 

この映画、光と影の映し方がうまかった。

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アマゾンより