日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

当たりや大将  1962年 日活

監督 中平康 脚本 新藤兼人

出演 長門裕之 轟夕起子 中原早苗 浜村淳 山茶花究 武智豊子 頭師佳孝

   杉山俊夫 加藤武

 

www.nikkatsu.com

 

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日活より

アマゾンプライムで無料視聴♪ 無料なのはなんだか???だからか。

出演者も良いのに「豚と軍艦」なんかに比べると???なのだ。

 

唯一救いがあるのは当時の釜ヶ崎とそこの住人たちの映像が冒頭でみられること。

当時はプライバシーだの問題にされなかったのか明らかに釜ヶ崎の男たちがばっちり写っている。今より活気にあふれ一般人など本当に近づけなかっただろうし、行く用事もなかったろう。

 

釜ヶ崎の住人、「大将」は当たりやで金を稼いだり、飲み屋のおばはんの子供を一緒に

ガラスを壊してそのあとにガラス屋を装って儲けるなんて詐欺を行って生きている。

 

広場では住人が博打に興じ、女たちは売春で稼ぐ。

 

住人からどぶのキリストと呼ばれるのは釜ヶ崎警察?の刑事(浜村純)だ。

 

 

大将はベンテンのお初(中原早苗)を金で買おうと天王寺のお伝(武智豊子)の経営する売春宿へ乗り込むが、お初に博打を薦められなんとすってんてん。有り金をお初に取られあろうことかお初に借用書を書いて取られた自分の金を借りる始末。

 

飲み屋のおばはんが息子を東大にいれるために小金を貯めているときいた大将は

おばはんに実は自分はいいところの息子で金を増やしてやるともちかける。

あっさり信じたおばはんが差し出した郵便貯金はなんと18万円も入っていた。

 

その金でお初を誘って高級ホテルに泊まり、有馬温泉へ行ったりで数日で使い果たした大将。おばはんに金のことを聞かれるとなんとすんなり白状し、それをきいたおばはんはショックのあまり町をフラフラ歩いていると車に轢かれて死んでしまう(ここでもか!笑)

 

なんていうかみんなのしゃべる大阪弁?がね。おばはんがやっている屋台風な飲み屋の飲むシーンもああいうところは絶対前金なのにそういう風には見えない。

いくら大将を知っていてもおばはんが自分の全財産を渡すのって現実的なのか?しかも釜ヶ崎の住人なのに。

 

孤児となった息子は尼崎にいるおばはんの兄(加藤武)に引き取られるが大将はお金はなかったかと聞かれたときの表情はなかなか。

おばはんも死んでしまい、大将はおばはんのお金を使ったことは誰にも知られずに済むがある日、おばはんの声が聞こえる・・・ってこれ怪談か(笑。

 

おばはんの息子は尼崎の家には8人も子供がいて自分はいられないと釜ヶ崎に帰ってきてしまう。そこへかばん屋がランドセルを届けに来る。なんとおばはん、死ぬ前日に息子が小学校入学のためのランドセルを頼んでいたのだ。しかし、息子の小学校入学は1年先(笑。

気持ちが落ち着かなくなった大将・・釜ヶ崎の戻ってきた息子は大人に混じって博打をしにいつも広場へ・・・。

刑事のどぶのキリストにおはばんのお金を使い込んだことを告白し、子供たちのために

広場へブランコをつくろうと思うようになる。

ところがその広場を自分のシマだと主張するヤクザもの(山茶花究)一味が壊し続け、

大将は町の鉄工場へブランコを作れないか?と相談に行くと「作れないこともないが、前金が必要」と言われてしまう。

お金のない大将はその帰り、当たりやを試みるがなんと思いっきり轢かれてしまい

絶命!(え======)

 

ここで出てくる息子役の子供は頭師佳孝。なんか見たことあるなぁと思ったけど

あの黒澤明どですかでんの俳優さんなんだね。

1955年生まれで当時6歳くらいだけど大人になってもあまり変わってない。

 

 

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日活より