日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

がめつい奴  1960年 東宝

監督 千葉泰樹 脚本 笠原良三 原作 菊田一夫

出演 三益愛子 高島忠夫 中山千夏 原千佐子 草笛光子 団玲子 安西郷子

   藤木悠 森繁久彌 森雅之 多々良純 中村是好 山茶花究 西村晃

   東郷晴子 加藤大

 

日本映画専門チャンネルより

昨日は5回目のコロナワクチン接種に行ってきました。

私はずーとモデルナだったのでオミクロン株対応のファイザーは初めてです。

朝一番にうって5時間後くらいからもう、腕が痛くて痛くて、夜になって痛みがマックスでした。ジムでプランクをして腹筋も痛くて地獄でしたよ昨夜は。

 

で、このがめつい奴。

なんていうか、コメディなんだけどシリアスでコワい物語だった。私としては単に笑って終わりという物語でもなく、なんだか暗い気分になった(体調不良のせいか?)。

釜ヶ崎のドヤにいる人たちの中には、あの森雅之がいて彼のこのような汚れた性根の悪い男性って初めてでビックリ。さらに東郷晴子にいたっては上流階級の奥様役の印象が強い人だったが、麻薬のようなものをうつシーンなんかもあってこれにもビックリ。森雅之の妻役(内縁?)にロシア人とのあいの子(と、昔はいった)役の安西郷子。なんと髪の毛がオレンジ色!(笑。

子役が中山千夏。この映画の主要メンバーで生存しているのは草笛光子中山千夏くらいじゃないでしょうか。原千佐子も亡くなったし・・・。それにしても草笛光子って長生きだしあんまり変わらなくてほんとに若いと思う。

三益愛子のお婆さん役が半端なく(笑、その息子の高島忠夫釜ヶ崎の住人としてのビックリな演技。唯一、品がいい役は草笛光子で、彼女は元々三益愛子が女中としていた家の娘で戦後、三益愛子たちに彼女の土地の上に建物を建てられてしまい、今は妹の団玲子と三益愛子の経営するドヤの住人だ。

 

映画冒頭、トラックと乗用車が衝突するとドヤの人間が乗用車の運転手を無理やり病院へ行かせ、車はどんどん解体してそれを売ってしまう。跡形もなくなった車(笑。

その売買を取り仕切るのが熊吉(森雅之)という男で、彼は辻占いをしているロシア人とのあいの子、おたか(安西郷子)の稼ぎで暮らしている。

鹿(三益愛子)はそのドヤをホテルと呼び、住人から金をとりそびれないように目を光らせ、息子の健太(高島忠夫)をホテルの管理人として常駐させてもし客が金を払わなければ自分の息子から取り立てるというすごいお母さん。娘のお咲(原千佐子)は夫の雄(藤木悠)とそのドヤに住んでふたりで美人局をしている(え?)

鹿は親のない女の子のテコ(中山千夏)をひろってきて育てており、ことあるごとにテコを教育する。教育といってもちょっと意味が違うのだが・・。

 

初江(草笛光子)はこのあたり一帯の地主の娘だったが、戦後帰ってみると土地は不法占拠されており、いつか土地を取り戻そうと思っている。妹の絹は自分の家がお大臣であった記憶もなく、ドヤの暮らしにどっぷり染まり、鹿の息子の健太とは恋仲で将来はふたりでうどん屋をやりたいと思っている現代娘。

 

初江があたり一帯の土地の権利書をもっていると知った熊吉は、初江に自分が力になりたいと弁護士を呼んだとウソをいい、関係を結ぶ。古風な初江は熊吉を頼るが、熊吉の目的は初江のもっている権利書だ。うまいことを言って初江から権利書を預かった熊吉は健太に2000万円で土地を売る・・という。一緒に登記所までいって確かに初江の亡くなった親の土地だとわかった健太が値切って200万円で買うことを承諾し、母の鹿に200万円で買って2000万円で売れば儲かるともちかけるが、鹿はそんな金などないし、払うつもりもない、土地をもっているものよりも今は住んでいるほうが強いのだからこのままでいいのだという(すごい!)

 

しびれを切らした熊吉は街のヤクザ者の元へ行き、200万円でその権利書を親分(山茶花究)へ売る話をつけるが、手付だと親分がだしたのがたったの2万円・・話が違うと熊吉がいうと、これが2000万円で売れたらあとの残金は払ってやると逆に脅かされなにもできない・・・。

 

日本映画専門チャンネルより

草笛光子は熊吉を刺し殺してしまうが、なんとドヤに人間は死体から着物をはぎ、

埋立地に埋めて、自首するという草笛光子に死体もないのに自首しても仕方がないだろう・・・なんてことを言ったり、息子の高島忠夫とお金のことでもみ合いになった三益愛子はクビをしめられ、仮死状態になり・・・母が死んだ!とドヤのみんなが集まってくるが、なんだかみんな死んだほうがいい・・・みたいなことを言われる。

まぁその後生き返るのだが(笑。

 

ヤフオクより