日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

少年死刑囚  1955年 日活

監督 吉村廉 脚本 片岡薫 佐治乾

出演 田中絹代 牧眞介 木室郁子 信欣三 畑中寥皮 田中筆子 多々良純

   若原初子 相馬幸子 安部徹 殿山泰司 増田順二 菅井一郎

 

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日活より

 

日本映画で初めて府中刑務所内で撮影したという作品。そのためかリアル感が半端ない。

 

浩(牧眞介)は父を亡くし、母(田中絹代)も再婚して東京に。母に会いたい浩は再婚先へ行くが、義父(菅井一郎)に邪魔者扱いされ、生まれ故郷である田舎へかえることにする。元々両親の家には自分を可愛がってくれた祖父母がいたが、父亡き後、叔父さん夫婦(多々良純・若原初子)が住み着き、ヤミ米で儲けているが、少年院に入った浩は邪魔者扱いされ東京で一旗あげて邪見に扱われている祖父母をゆくゆくは引き取ろうと生まれ故郷を後にする。

汽車の中で浩はかわいそうな祖父母のことを考える・・・駅まで送ってくれた祖父は

長生きしても辛いばかりで死にたいと言ったことを思い出し、走る汽車から飛び降りて家へ向かい、祖父母を絞め殺す。それは浩のゆがんだ愛情だった。そして叔父叔母も殺害し、浩は死刑判決を受ける・・・。

 

刑務所で浩の担当になった教官(信欣三)は浩に阿弥陀如来の話をし、信仰の大切さを説く。刑務所にはいった当初は自暴自棄だった浩だが、だんだん変わっていく。

 

浩は死刑判決後、控訴するが棄却され死刑が確定する。母、隣の家の幼馴染(木室郁子)と彼女の母(相馬幸子)と最後の別れをするが彼は立派にしんでいこうとスッキリした面持ちで面会をすます。

 

ところが・・・執行直前に恩赦を受け、浩は無期懲役減刑。それまで死ぬことを考えて勉強してきた浩は混乱し、自分は死刑になりたかったのだと教官を襲う!

 

最後はビックリな展開になる♪♪

どうせ無期懲役なんだからと石松(安部徹)にそそのかされた浩は別の刑務所に移管される日に刑務官から鍵を奪い、石松の独房を開ける。石松は次々と別の独房も開け、刑務所内は大混乱。拳銃をうばった浩は刑務所内を逃げ回り最後は拳銃を抜いた刑務官に自分を撃て!と言ったりする。その日は浩の減刑をきいて母が刑務所に来ていたが騒ぎをききつけ慌てて外へ・・みんなに囲まれている浩をみて母は浩に声をかける・。

おかぁさん!といって泣き出す浩。拳銃を落とした隙に捕らえられる。

 

車に乗って別の刑務所へ行く浩。爽やかな顔で「先生、すみませんでした」と謝り、教官も笑顔で答える・・・の・・だった・・・ってとこが え?と思った(笑。

 

牧眞介の祖父役が畑中寥皮という俳優さんだが、映画ドットコムではなぜか左卜全となっていていくらなんでも適当過ぎる(笑。

 

日活より