日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

現代家族 1962年

監督 堀内 甲  脚本 杉原せつ

出演 荒木道子 家田佳子 笈田 勝弘 田中筆子 原ひさ子

 

家田佳子と荒木道子

一言でいえば、娘の結婚と母親の老後の話。

当時は子供が親の面倒をみるのが当たり前。母親ももちろんそれを望んでいる。

しかし、「現代」において若者の意識も変わって・・・

 

母ひとり、娘ひとりの家庭。娘の優子(家田佳子)は丸の内に勤めるOL。会社には亮ちゃん(笈田 勝弘)という違う部署にいる恋人がいる。

母(荒木道子)は病院の給食をつくる仕事をしている。

 

娘が結婚したらもちろん同居して・・・と考える母だが彼女が結婚するのかしないのかどうもハッキリしない。母は着物の仕立もしているが知人が母と同居してもよいという相手を娘にどうかと話があり母は多少期待しているが娘はきっぱり断れという。

いっそのこと亮ちゃんは次男なんだし養子にきてくれないだろうか・・と口にする母だが娘は古いといって否定。

 

優子は亮ちゃんがいつまでたっても結婚についてはっきりしないのでイラつきつつも飄々としている亮ちゃんとデートを楽しむのだった。

 

娘の気持ちとしては母のことが心配が半分とでも結婚したら亮ちゃんとふたりで暮らしたいが半分。悩みの種はやはりお金のことだ。

 

母は同じ職場の愚痴仲間である女(田中筆子)に誘われてハイキングへ行くが彼女の目的は子供に世話にならずに入ろうと思っている養老院の見学であった。

田中筆子と荒木道子

母も自分も自立しなければと思う日々・・・。

笈田 勝弘と家田佳子

亮ちゃんのハッキリしなさ加減で優子は山へ行く。亮ちゃんが心配して迎えに行くと優子は地元の子供たちと雪合戦♪。そしてついに優子へプロポーズ。二人は帰途へ着く。その車中、優子は前々から考えていた生活費の話をする。

母には月5000円の仕送りをしてひとりで暮らしてもらい、共稼ぎすればなんとか二人でやっていける。

 

なんともつましい話だけれど今だって普通の人の生活の考え方は同じなのかもしれない。ただ親の考え方が子供の世話になろうというのがなくなっただけだが、今は子供がいつまでたっても親の収入で・・・って人がいる(笑。昔と逆パターン。

東京駅が見える 右奥が郵便局