日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

家計の数学 生活費500円  1946年 竹内信次作品

インフレが紙幣を氾濫させ、その氾濫した紙幣がさらなるインフレを生み、ワタクシたちの生活は苦しくなっていきます・・・から始まるこの映画。

終戦後一年経つか経たないか?くらいの作品です。

生活費500円って一日のことかと思ったらなんと一か月の生活費でした(;^_^A

 

政府のいう500円で果たして我々は暮らしていけるのか?の検証です。

 

当然、暮らしていけないことがこの作品でわかります。

1946年の100円紙幣

とにかく物価が高く、鍋や釜を買いたいが高くて手が出ない・・・。

1946年当時の釜や鍋

びっくりなのは「税」入場料5円のうちなんの税だかわからないが1円67銭が税。

 

入場料、3円34銭、税 1円67銭

歌舞伎にいたっては観覧料10円、税10円で20円・・・

 

半分税金。50パーセントw

さらに一面焼け野原?のような東京・・・

 

 

闇市の下駄45円・・・

 

 

当時の人が履いていた靴の状態・・・しかも靴の修理って・・これで修理しながら履いていたのか!しかし、修理代も高い。

 

 

映画は最後をこう締めくくる。

金持ちに味方する政府、私たちは食っていくために力を合わせねばなりません!

政府の言う500円で生活するとということを描きつつ、これでは食べていけないことを映像でわかりやすく説明してます。

 

この竹内信次という監督は企業のPR映画や教育映画を監督した方のようで詳しいことはわかりませんでした。