日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

憎いもの  1957年 東宝

監督 丸山誠治 脚本 橋本忍 原作 石坂洋二郎

出演 藤原釜足 安西郷子 東野英治郎 加賀夏子 小泉博 中田康子 千石規子

 

藤原釜足と安西郷子

 

青森で雑貨店をしている村井彦一(藤原釜足)は少しでも利益をだそうと東京で就職した娘、由子(安西郷子)からの仕送りを貯めた金をもって東京で仕入れをしようと地元の同業者でよく東京へ行くという木山(東野英治郎)と夜汽車で東京へ向かう。

 

由子は父が滞在中、会社から休みをもらって仕入れを手伝う。田舎から来た父が騙されないようにアドバイスする孝行娘だ。

無事に仕入れも済んで、村井は弘前の半値で仕入れられたと大満足。由子もちゃんとやっているようで安心する。村井は地元で学校の先生をしている倉田(小泉博)とゆくゆくは由子が結婚してくれることを願っているが、由子が結婚したら仕送りもなくなることが悩みの種だ。

 

数日滞在し、その日の夜行で帰りの切符も買った村井に木山から夜行に乗る前に案内したい場所があるからと誘われる。木山は東京へ行くたびに遊んでくるらしく、東京行きの車中でも盛んに村田を誘ったのだ。娘からの大事なお金を無駄に使いたくないと断っていた村井だが、強引にある旅館へ連れていかれる。そこは今でいうホテトルだ。

 

木山はそこでは顔なじみらしく、いつもの娘を呼べと部屋へ行ってしまう。ところがいつも呼ぶ女性の都合がつかず、別の娘になった・・・。

 

村井はひとりぽつんと座っていると女が現れたが、なにもしないので彼女は怒って出ていってしまう。気をきかせた女将が別の女性(中田康子)を部屋へよこす。なんとなく彼女の口から東北からでてきたことをきき、どこだと聞くと秋田だという。村井は青森なのでそこで顔がほころぶが話しか村井がしないのでもう帰ってもいい?と言って村井を残して部屋からでていってしまう。

汽車の時間もせまり、村井は木山を呼びに行くと木山はコトを済ませたようだ。ふと見ると暗がりの女がいる・・・なんと村井の娘の由子だった!!!!

 

怒って由子を追いかけひっぱたく村井、彼女は東京の会社でもらうお給料ではとても生活できないし、まして仕送りなど到底不可能だった。そこで夜のアルバイトをしていたのだ。

村井は宿屋を出て夜の町で呑んだくれる。酔っぱらって宿に帰ると宿屋も心配してまだ汽車に間に合うというが、部屋に帰った村井はそこで仕入れたひょっとこのお面をかぶって酔いつぶれている木山に思わず襲い掛かり・・・なんと首を絞めて殺害

 

え~~~~~~~~~~~~。ここでこれまでのほのぼのした感じが一転、殺人事件になっちゃうんだよね♪(なぜ♪?笑)

 

警察署で刑事(宮口精二)から動機を聞かれるが村井は木山を許せなかったわけではない・・・という。

拘留されている父のために由子は刑事に自分の本当のことを話す(彼女にとって知られたくない売春のことだ)が村井はどうして木山を殺してしまったのか自分でもよくわからない・・・

 

で私木山が憎かったからだと思ったが、映画.comのあらすじでは「ひょっとこ」のお面をみてせせら笑われているようでそれが憎かった・・・みたいなことが書いてある。

え、だから??(笑。そういえば旅館の女中(千石規子)に玄関先で自分が仕入れたひょっとこのお面をかぶって笑わせるというシーンがある。なんでも地元のお祭りでみんなひょっとこのお面をかぶるのでよく売れるんだという。

 

最後の殺人の動機がいまいち理解できなかったが、いかにも東宝映画って感じの物語でした。

          中田康子

 

東京見物に連れて行った安西郷子が父と一緒に勝鬨橋から隅田川の上流を眺める。

高いビルがなくて、ほんと、なんにもない↓