日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

細雪 1950年 新東宝

監督 阿部豊 脚本 八柱利雄 原作 谷崎潤一郎

出演 花井蘭子 轟夕起子 山根寿子 高峰秀子 田中春男 田崎潤 香川京子

   河津清三郎 浦辺粂子 藤田進 堀雄二

 

YouTubeより

デコちゃんにまた泣いてしまいました(笑。

前からアップされていたこの作品ですが、画質が悪くて見る気がおこらず・・・

それでも3作つくられたうちの最初の細雪なのでやはり見なければ!最近はプライムでも見るものがないし。

大阪の豪商であった旧家の4姉妹の物語ですが、ネットで調べると長女役の花井蘭子は元々入江たか子が演じるはずだったとか。しかし入江たか子バセドウ病を発症してしまい、出演がかなわなくなったという。

当時、巨額の製作費であったともあるが、なにせ白黒で画質がよくないの4姉妹の着る和服がどれだけ豪華絢爛で華やかだったのかがわからん(笑。

 

時代に取り残され、没落していく旧家。その家には娘しか生まれず、長女の鶴子(花井蘭子)が銀行に勤める養子の辰雄を迎え家を継いだ。次女の幸子(轟夕起子)は結婚して芦屋で暮らし、三女の雪子(山根寿子)は父亡き後、お見合いを繰り返すがなかなか結婚が決まらない。四女の妙子(高峰秀子)は人形制作で自立している女性。前に宝石商?のボンボンの奥畑(田中春男)と駆け落ちしたことがあり、新聞沙汰にもなった。

その後もそのボンボンとつきあっている三女の雪子とは対照的な現代女性だ。

ここで次女の幸子を妙子が「なかあんちゃん」、雪子を「きあんちゃん」と呼んだりしていたが、聞いたことがなかったので映画を見ている時にはなんて言っているのかわかりませんでした。あるネット記事にて解決。妙子は「こいさん」と呼ばれるがこれはよく妹のことを関西ではそういうのですぐわかりました。

 

原作は読んだこともありませんが、映画初頭は雪子の結婚に焦点があたりつつ、だんだん妙子に話が移っていきます。

妙子はボンボンの奥畑と付き合っていたが、豪雨で自分を助けてくれた、過去、奥畑の家の丁稚で今は写真屋をしている板倉(田崎潤)に心寄せるようになり、結婚の約束をするが、姉は板倉との結婚はあまり賛成できない。やはり丁稚上がりで教育のない男と、自分たちの家とはつり合いがとれないと思うのだ。

ところが、ひょんなことで板倉が亡くなってしまう。

 

その後、妙子はバーテンダーの三好(堀雄二)との子供を宿すが、子宮外妊娠で命の危険が差し迫る!デコちゃんも死んじゃうのか??と思いきや、回復しデコちゃんは三好と暮らそうと芦屋の幸子の家をでる。

 

山根寿子と高峰秀子

雪子役の山根寿子に花がないような気もするが、うまくいきそうだったお見合い相手から電話で二人きりでのデートに誘われるとハッキリ返事もできず、結局一度しか会ったことのない人とは会えないと断ってしまい、それが原因で相手を怒らせてしまう古風?な日本女性なのでこのくらい地味目でいいのかもしれない。

轟夕起子・花井蘭子

夫の栄転で東京へ行った長女の鶴子と次女の幸子が空き家となり昔の使用人に留守をまもってもらっている家を訪ね、そこでお茶に浮かぶシロアリをみつける。この旧家のその後のゆくえがわかる良いシーンでした。

鶴子の夫役が伊志井寛でしたが彼を見ると私は石井ふく子の「ありがとう」が一番古い記憶の役者さんです。

伊志井寛