日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

サラリーマン物語 敵は幾万ありとても 1962年 日活

監督 吉村廉 脚本 高橋二三

出演 山田吾一 桂小金治 大泉晃 松尾嘉代 森川信 石丘伸吾 嵯峨善兵

   由利徹 大滝秀治 三國一郎 柳家小さん

www.nikkatsu.com

元日活の中尾彬氏の訃報が報じられました。ワイドショーでは「ねじねじ」

が有名ですが、私は細かった中尾彬を知っています!(笑。古い邦画を見ることがなかったらやはり思い浮かぶのは「ねじねじ」の人、あるいは伊丹十三映画のヤクザ役の人くらいだったと思います。昔ワイドショーのコメンテーターも務めていたとかで、さかんにその時の映像をテレ朝では流していました。買取店の「福ちゃん」のCMはもう見れないのかな?

 

日活サラリーマン物語第2弾。第一弾はみたのだろうか?と調べたら記事にしてました。全く記憶にない(;^_^A。

アマプラでよく目にするけれど、なんとなく見なかった作品。まぁまぁな出来でした。

終身雇用がデフォルトだった時代、専務同士の学閥で官立大学2校出身の新入社員が張り合うが、無名私立大学出の3人の新入社員は入社早々自分たちに立ち位置にがっかり・・。

アマゾンプライムビデオより

 落語を話せる砂山八郎(桂小金治)、大道芸のテキヤ、大前田一家の息子、大前田英介(山田吾一)、寺の息子の井上道念(大泉晃)は私立大学を卒業し、東京の極東物産に無事就職した。3人は会社の独身寮へやってくるが、なんと広い豪邸にそれぞれ趣向を凝らした個室が与えられる。いい会社だなぁと喜ぶ3人だが、管理人で食事係だというアヤ子(小桜京子)はあとでわかると意味深なことを言う。

入社した日、官立大学出だけ呼ばれ、残された3人の前に現れた総務課長の北村(森川信)から2人の専務の出身大学で社員が分けられ、競争しているという。私立大卒の3人は蚊帳の外で君たちの出世は望めないといわれて意気消沈する3人。

しかし商業学校卒の北村課長も同じで、彼らを元気づけようと家に呼んで勇気づける。

そこへ現れたのが神田専務の元で働いているという娘の京子(松尾嘉代)。3人は3人とも京子に首ったけとなるが京子にはもう一人の阿部専務(大滝秀治)の息子で彼の秘書の鉄夫(石丘伸吾)と恋仲なのだ。ところが専務同士で敵対しているのでなかなか鉄夫は京子の存在を父に言い出せないでいる。

 

八郎、英介、道念の3人のいる寮は、地方からやってきたお得意様の宿泊施設でもあり、お客がやってきた時は彼ら3人で接待し、部屋も明け渡さないとならない。

 

ある日、南の国から極東物産に帽子の製作を頼んだお客がやってきた。ところが極東物産が作った帽子は全く違うもので数十万個も作ってしまったが買わないと言う。

そこで困った会社を助けようと、この帽子はカッコいいんですというと、それなら銀座をその帽子をかぶって歩いてみろ・・・と言われ、3人は佐渡おけさでかぶるような形の帽子で銀座を歩く。道行く人々に笑われるが、ちょうど観光で日本に訪れていたモルガン社の社長がその帽子を気に入り、全て買うという。さらに極東物産はニューヨーク支店に支店をだす話となり、モルガン社長に気に入られた3人を支店に寄越すように言われる。

それからというもの独身寮に毎日毎日、極東物産の社員が贈り物をもってどうか自分もよろしくと日参し、部屋の中は贈り物で一杯となる。

大出世に喜ぶ3人だが、モルガン社長は、北村課長の娘、京子を気に入り結婚したいといいだす。極東物産の社長も乗り気で、娘がモルガン社長夫人となれば社も安泰で取引を続けられる。課長も渋る娘に頼む始末。

京子は鉄夫もはっきりしないし、自分がモルガンと結婚することに。

結婚式当日がやってきた。

見かねた3人がモルガンに事情を話すと彼はあっさり京子と諦め、鉄夫に結婚指輪を手渡し京子にはめるように言う。

式場に刑事が現れ、3人を贈収賄で逮捕するという。社員から受け取った贈答品がいけないらしいが、そこへ教会のシスターと孤児院にいる子供たちが3人にお礼に現れる。彼らは受け取った贈答品を全て寄付していたのだ。

 

旅立ちの日、ニューヨーク支店へ行くのはなんと北村課長であった。

英介は南の国で暖房器具を売りに、道念はアラスカのエスキモーに冷蔵庫を売りに、八郎は砂漠で道路標識を売ってこいと言われ、終わり(笑。

日本がこれからますます高度成長する時代。それ以降しばらくは商社も建設会社も、製造業も繊維業も儲けたと思うけれど、今は昔の物語でした。

なにせいまはインバウンドの観光で儲けようと・・これじゃぁ戦後の貧しかった時代に戻ってます。

日活より

 

にほんブログ村 映画ブログ 日本映画(邦画)へ
にほんブログ村