日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

舞妓の上京 1961年 日活

監督 森永健次郎 脚本 川崎俊祐 原作 八柱利雄

出演 田代みどり 浜田光夫 奈良岡朋子 吉行和子 清水将夫 小夜福子

   高野由美 梅野泰靖 嵯峨善兵 菊地靖子 原恵子 伊藤寿章 葵真木子

www.nikkatsu.com

日活より

 

田代みどりの舞妓さんは可愛らしい。このところ京都はインバウンドとかで大混雑しているらしいが、映像に映る祇園や八坂神社に人の姿はない。すれ違うのは同業の舞妓や芸者たち。特に祇園というところは一般人が押し寄せるようなところではなかった。今は人身売買禁止!だけれど昔は売られて芸者になっていた。ちょっと前に祇園で舞妓になった若い女性のドキュメンタリーを見たことがあるけれど、衣装代はいったい誰が払うのだろう?昔の芸妓事情を知っている者としてはそこが知りたかったけれど、ハッキリしない。一時はいいかもしれないが、結局お金がかかっている。置屋も趣味で経営しているわけではないからね。

 

幼い頃から置屋に預けられ、育ててもらった小えん(田代みどり)。舞妓となった今、女将(小夜福子)から東京の顧客のお座敷代の取り立てを頼まれ、東京、赤坂の芸者、えみ子(奈良岡朋子)が京都見物のあと東京へ帰るので一緒に行くことになった。

滞在中はえみ子の家に世話になり、舞妓姿で宿屋で執筆中の小説家(梅野泰靖)や会社重役の谷山(伊藤寿章)を訪ねるが集金はできない。えみ子は小えんが集金できるまで東京見物はお預けだという。

散々歩き回って疲れた小えんが永代橋の袂で休んでいると、小学校で一緒だった修吉(浜田光夫)に声をかけられる。修吉はそばの酒屋で働きながら定時制高校へ行っているといい、修吉の住む部屋に案内されるとそこには上京時に隣り合わせた老婆がいた。

あ、おばぁさん!という小えん。彼女は修吉の母、よね(高野由美)であった。

って、小えんはおばぁさんて呼んでるのに修吉の母・・・高野由美のメークはまるで老婆だったのが残念。よねは京都から修吉に会いに上京していたのだ。

 

小えんは修吉たちとはとバスで東京見物へ出発。

京都では置屋の女将が倒れ、寝込んでしまうがそこに小えんのスポンサーになりたいという中年男性(嵯峨善兵)がおり、小えんを水揚げさせるので集金はどうでも良いから帰ってこいという話になっていた。

急遽、翌日帰ることとなった小えんは修吉が通っているという定時制高校へ行き、勉強風景を窓越しにみる。彼女も学校へ行きたいが舞妓である自分は学校へ行くことは無理だ。授業が終わった修吉と二人三脚をして遊ぶ小えん。

 

小えんとえみ子が東京行きの列車で一緒になった紳士の柴田は妻との間に子がなく、頭の良い小えんを養女にしようとえみ子に相談する。

小えんが京都へ帰る日に柴田はすぐに京都へ行くから・・と言い残す。帰りのタクシーでえみ子から本気で小えんを養女にもらってくれるんですか?と訊かれる柴田。妻も同意しているときいて安心するえみ子であった・・。

1時間ちょっとですが私にとっては飽きない長さ。コンパクトにまとまっていて☆三つでした。

 

修吉が働いているのは酒屋という設定でしたが、永代橋中央区側にはたくさんの酒問屋が今でもあります。前に隅田川を渡るシリーズの時、昔、家に出入りしていた「ニッシュハン=日酒販=日本酒類販売」があって、ここから来ていたのだと感慨深かったです。その他、「国分」の看板もみました。

 

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