日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

おヤエのあんま天国 1959年 日活

監督 春原政久 脚本 高橋二三

出演 若水ヤエ子 柳沢真一 中村万寿子 藤野宏 小川虎之助 森川信 岡村文子

   藤村有弘 渡辺篤 新井麗子 

 

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この作品、築地にあった橋のどこであるか特定に時間がかかりました。

聖路加病院を背にして築地本願寺が見える橋。

まず備前橋だと思ったんです(現在もかろうじて本願寺が見える)

現在の備前

映画でのシーン

 

しかし、背後の聖路加病院の建物と左隅に見える特徴的な橋柱

聖路加病院

で、暁橋だとわかりました。

 

橋柱は映画撮影当時変わってますがこの暁橋だと思ったのは背後の聖路加病院です。

備前橋だと遠すぎる。

中央区のhpより

暁橋の袂で

現在の暁橋の袂 

暁橋跡。築地本願寺は全く見えない

ということで作品の内容より風景が貴重な映画です(;^_^A

 

客に呼ばれ、あんまに行ったおヤエは赤ん坊を背負っていったので客(藤村有弘)から他のあんまにする!と怒られるが、おヤエは必死で自分にあんまをやらせてくださいと頼み込む。その事情を話すおヤエ・・。

 

築地の旅館で女中をしながら弟、孝志(藤野宏)を法学部に通わせているおヤエ(若水ヤエ子)。ある日孝志に呼び出されておこずかいを渡そうとするが孝志はそれだけじゃ足りないと言われてしまう。女中の稼ぎだけでは弟を卒業させられないと知ったおヤエにその旅館に出入りするあんまの千鶴子(中村万寿子)はおヤエにあんまをやらないかと持ち掛ける。あんまのほうがお金が稼げると連れていかれた築地治療院には主人(森川信)と妻(岡村文子)、そして住み込みのあんまの女たち。そこで2年間、治療院にお金を出してもらいあんまの学校へ通いながらあんま修行することになった。

旅館の前借や学校のお金を立て替えてくれた治療院夫婦。基本、この映画ってちょっと悪い人はでてくるが極悪非道な人はでてこないのが特徴(笑。

 

まだ見習い中のおヤエだがある日呼ばれていった先のお客が興信所所長の森園(小川虎之助)。おヤエは逆に森園からあんまの手ほどきを受ける始末。おヤエの事情を知った森園はその後、おヤエを助けていく。

おヤエの話を立ち聞きした客の長岡(柳沢真一)は帰ろうとするおヤエを呼び止め、やはりあんまを頼む。優しくてハンサムは長岡はその後おヤエをよくあんまに呼ぶようになる。

 

無事に法科を卒業した孝志だが、就職試験に落ちてしまったという。おヤエは森園に就職先を相談すると東京の興信所を孝志に任せるといい、孝志の就職先は決まった。

ところが着ていく背広がない。お金のないおヤエに千鶴子は自分の貯金をおろして貸してあげるといい、背広を買うことができた。

おヤエが「とっても吊るしとは見えない」というセリフがあるが昔は背広は作るのが当たり前で出来合いの背広は「吊るし」といってある意味バカにしていた。これはかなり続いていて私も知っている。今は「吊るし」でもブランドものだと普通のオーダーメイドより高~~~いものがある。

 

ところがそんな千鶴子との出会いで後日、孝志は千鶴子と結婚したいと言い出す。

彼らはこっそり付き合っていたのだ。

孝志を訪ねたおヤエは千鶴子と孝志のことを知って激怒。あんまと結婚させるために孝志を大学まで行かせた覚えはないのだ!!まぁ、この気持ちもなんとなくわかる。

 

二人に見切りをつけたおヤエ。おヤエは無事あんま学校を卒業し、優しい長岡に報告する。長岡からは母親の形見だという指輪をもらい、結婚を申し込まれる。こんな幸せでいいのかとそれでも自分の幸福に酔うおヤエだったが・・・。

浅草の松屋屋上にあった乗り物。アサヒビールの建物?工場が見える

森園興信所で働く孝志はある日顧客から行方不明になった婚約者探しを依頼される。

調べていくとその男は行く先々で女性からお金を騙していることがわかる。

そして彼が姉も騙していることを察知!!

 

長岡が待っている旅館に行ったおヤエ。通帳はもってきた?と訊かれたおヤエだがそんなやり取りをしていると部屋に刑事がきて長岡を結婚詐欺で逮捕。長岡というのは偽名で本名は山田三五郎だという。

それでも信じられないおヤエは警察に面会に行く。ところが長岡に惚れている女性もたくさんやってきておヤエはその場をあとにして死に場所を求めて夜のまちをさまよう。

 

首を吊ろうとしたが落っこちたのが孝志が出産間際の千鶴子を病院へ運ぼうとしたトラックの荷台。千鶴子は胸を患っていると知ったおヤエは千鶴子が治るまで赤ん坊を育てる!と決心して・・・赤ん坊を背負ってあんまへ来たという。

 

その話をきいた客もいたく感動しておヤエにチップをはずむのだ!

 

明石橋の袂の易者に水難の相があるといわれたおヤエ。背負った赤ちゃんのお尻から盛大に水が~~。

 

もう一つ貴重な映像。浜離宮庭園の出入り口

昭和34年ごろ

現在の様子

浜離宮からでてきた同じショット

日活より

 

破壊 1962年 大映 

監督 市川崑 脚本 和田夏十 原作 島崎藤村

出演 市川崑 長門裕之 船越英二 藤村志保 三國連太郎 中村雁治郎

   杉村春子 岸田今日子 宮口精二 浜村純 加藤嘉 浦辺粂子

   見明凡太郎 潮万太郎 

 

市川雷蔵・潮万太郎

コレステロールが下がるという小林製薬の紅麹サプリ。実は私も薬局でみて買おうかな~~、とってみようかなぁ~と思っていたんですよね。なにやらトマトジュースとか豆乳とか亜麻仁油とか試してもイマイチだったんで。ただ値段みてやめましたけど、ケチな自分を褒めてあげたい(笑。ま、観念してお医者さん通ってますけど(;^_^A。保険3割負担で。

今朝の週刊誌の見出し宣伝には一平さんのついた「ウソ!嘘!うそ!」が。まぁウソをついたことのない人はいないんじゃないでしょうか。一平さん、今はとにかく叩かれます。

この作品はウソをつかざるえなかった時代の部落出身者の苦悩で最後に「ここで泣いてぇ~~」なシーンが結構長くあるんですけど、泣いてしまいました。

泣かそう、泣かそうという演出にはシラケることが多いんですけどね(笑。

 

明治時代の後半。部落出身の瀬川丑松(市川雷蔵)は身分を隠して学問をし、信州は飯山の町の小学校の教師となった。遠い部落で独り暮らす父の死に目にもあえず、埋葬された墓石もない父の土が盛り上がっただけの墓を後日、こっそり訪れるのが精いっぱいだった。

旅館を下宿としていた丑松だが部落民だとわかった男が追い出されるのを目の当たりにする。

唯一の救いは部落解放運動の師、猪子蓮太郎(三國連太郎)が書いた書籍を読むことだ。丑松の同僚で植物学者を目指している土屋銀之助(長門裕之)は猪子の本を読むこを快く思っていない。彼も世間の当時の常識人なのだ。

身分を隠している伯父からも決して部落民だと思われてはいけないときつく言われた丑松。もしわかったら彼は全て失ってしまうのだ。

 

なんとなく居心地の悪くなった丑松は蓮華寺という寺に間借りするために荷物を積んだリヤカーをひいているとやはり教師で年長の風間と出会った。

士族だった風間(船越英二)はもう少しで恩給のもらえる勤続15年になるのだが、酒のために学校をよく休み、校長(宮口精二)からクビにされてしまう。風間は丑松が校長に気に入られているのでなんとか口ぞえをして欲しいと頼みこむが結局堅物の校長に丑松と土屋が進言してもダメだった。

 

蓮華寺には住職(中村雁治郎)と妻(杉村春子)がおり、子の無い夫婦は風間の最初の妻との娘、お志保(藤村志保)を養女にしていた。お志保はなにかに怯えているようで出かけようとする丑松にここにいてくださいという。不審がる丑松。

 

岸田今日子市川雷蔵三國連太郎

ある日、丑松は山中で信州に講演にきた猪子夫妻に出会う。丑松は猪子の顔写真を見たことがあり、話しかける。最初は警戒していた猪子だが、彼が手紙をくれる丑松だとわかり、親しく話しかける。猪子は教育のある自分たちが先頭にたって運動をしていかなければならない、過去、自分も身分を隠していたがそれは卑怯だと思いませんか?と丑松に問うのだ。猪子に励ましの手紙を送る丑松を猪子は同じ部落民だと思っての発言だが、丑松は自分は部落民ではない・・と猪子に嘘をつく。どうしても言えなかったのだ!

猪子にすら自分が部落民であることを言えない丑松は苦悩する。

 

ある日、町会議員の高柳(潮万太郎)から呼び止められた丑松。彼は選挙の応援を頼んできた。なぜ自分が?という丑松に高柳は丑松が部落出身であることを知っているとほのめかす。

高柳の妻は部落出身だが金持ちでその金目当てに高柳は妻にしたという。丑松を列車内で見た妻は丑松のことを知っていたらしい。ところが丑松は断固として部落民であることは認めず、協力も断る。

しかし誰が広めたのか町や学校では丑松が部落民じゃないかと噂が立つ。

それを消すように丑松は猪子の書籍を古本屋に持って行くが、猪子の本は価値がつかないと言われる。それでも猪子の本は全て引き取ってもらい、寺に帰った丑松を待っていたのは猪子だった。丑松は猪子を真正面から見れない。なにか猪子に責められているような気がするのだ。

 

高柳は妻が部落出身者だと知られたら、選挙は不利になるが、そこへ敵対する候補者の主催する講演会に猪子が講演することになっていた。高柳は丑松から猪子に講演しないように頼んでもらうつもりだった?のだが、それもできないと知るとなんと講演へ向かう猪子を雇った男に刺殺させてしまう。

 

丑松は自分で自分を追い詰めていく。そしてとうとう決意するのだ!自分が部落民であることを隠さずに生きるのだと!

ちょっと順序が違うところもあるかもしれませんが、丑松が毎日ドキドキしながら暮らしているところなんか鬼気迫っていました。

ただずっと丑松の苦悩ばかりではく、士族だと言って時代に取り残され酒浸りの風間や、東京へ行くことが決まった女好き以外は良い人物の和尚、若い頃は正義に燃えていたが今は世間の常識からはずれないように生きる校長などの話もあって2時間近い作品でも全く飽きることはありませんでした。言葉遣いが明治を感じたりして。

杉村春子藤村志保

俺に賭けた奴ら  1962年 日活

監督 鈴木清順 脚本 小川英 中野顕彰

出演 和田浩治 葉山良二 川地民夫 高品格 南田洋子 白木マリ 清水まゆみ

   木浦佑三 青木富夫 弘松三郎 上野山功一 佐野浅夫 藤竜也 中尾彬

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葉山良二・和田浩治高品格

今日は高峰秀子の生まれた日です。生きていれば100歳。今週はBS松竹東急チャンネル

高峰秀子の映画が毎晩放映されています。今夜放映される「山河あり」と「永遠の人」は見たことがないので見てみようかな・・・「カルメン故郷に帰る」も放映されましたが私は「カルメン純情す」をもう一度見てみたいのです。最初のカルメン故郷に帰るからするとかなりイマイチなのでなかなか放映されないんですよね(;^_^A。

今、高峰秀子生誕100年プロジェクト開催してますが、なんとクラファンまでしてました。目標額は500万円だそうです。これにはちょっとガッカリでしたけどね。

そういえば筑波久子が書籍を出版したいとかのクラファンをみつけたことがありましたが支援はなんと3人。集まったのは1万5千円。2019年のことです。もうさ、なんか哀しすぎてやめたほうがよいと思いました。

 

日活より

独特な色彩で清順美学と後に呼ばれることとなった作品・・と日活のサイトにあった。

1944年生まれ、まだ18歳の和田浩治。すっかり出来上がった大人の顔してました。

 

集団就職で上京し、電気屋の住み込み店員の清次(和田浩治)は清次を慕うその店の娘、洋子(清水まゆみ)と行ったボクシングの試合をみて自分もボクサーになりたいと東(葉山良二)のジムに入会する。そろばんを習いに行くと言って店主の竹井(佐野浅夫)にはウソをつき通うがある日、ばれてしまう。しかし竹井はやるならとことんやれと清次を励ますのだ。

試合に出るようになり、スジのよい清次は順調に勝ち進む。

ある日、テレビの修理でマンションを訪れた清次。女一人住まいらしく、清次が部屋に入ると女は風呂に入っている。ベッドには清次の活躍している記事が載っている週刊誌がおかれ、女に自分がそのボクサーだという清次だった。

 

ある晩の試合後、控室に戻る途中に声をかけられた清次。手にはあるクラブで待っているとかかれたマッチ箱があった。

そこに待っていたのは清次がテレビの修理に訪れた部屋の女でクラブのママ、水沢早苗(南田洋子)であった。そしてもう一人、足の悪い元ボクサーの健次郎(川地民夫)。

ある晩、清次は東のジムを訪れる。しかしそこで見たものは東の妻、奈々子(白木マリ)とトレーナー、川村(高品格)との不倫現場であった!慌ててその場を後にしようとする清次に川村は誰にも言うな、あの女は誰とでも寝るのだという。許せない清次は一人残った奈々子に東に本当のことを言ってくれと迫っているところへ東が帰ってきた。突然奈々子が悲鳴をあげ、なんと清次が奈々子を襲うとした!と勘違いされた清次!!!

こういう時って女性のほうが信じられやすいよね(笑。

東(葉山良二)にはまるで清次(和田浩治)が奈々子(白木マリ)を襲っているように見える

言い訳もせずそのまま早苗のいるクラブで酒を飲んだ清次はすっかり酔ってしまう。早苗に送られた先はマンションの一室。しかしそれは早苗が清次を支援したいと借りた部屋だった。

気まずいまま東のジムで練習に励む清次。その後の試合で足をくじいた清次が試合をやめたいと東に訴えても東はやめさでない。清次はあのことがあって東に嫌がらせされていると思うようになった。

 

順調にキャリアを積んでチャンピオンの座も見えて来た清次に立ち込める暗雲。

人生ってすべてが順調には行かないのは誰にでもあることですね。

その時そーするのか??!!に今後の運命がかかってきます。(力説)

 

まだ細い中尾彬がクラブのバーテンダー役ででているようです。藤竜也はちょっと確認できました。

川地民夫の役はいてもいなくても良いのでは?と思いますが、最後に重要な人物となるのです。だから川地民夫だったのね。

 

懐かしい昭和の風景。

有楽町?神田?丸の内?

 

 

 

神宮前周辺の商店

 

高い塀に囲まれたの細い路地。こういうところはまだありますね。

 

 

ここはどこでしょうか。

 

 

有楽町で逢いましょう 1958年 大映

監督 島耕二 脚本 笠原良三

出演 京マチ子 菅原謙次 川口浩 野添ひとみ 小野道子 浪花千栄子 岸輝子

   北林谷栄 山茶花究 叶順子 

アマゾンプライムビデオより

こんな雨の日にピッタリな映画です。今はビックカメラになりましたが有楽町そごうがでてきます。私はエリザベスアーデンというアメリカの化粧品を買いにそごうへ80年代前半に行ってました。他のデパートより空いてたんです。

化粧品売り場と言えば、昔はレブロンがデパートの化粧品売り場にありました。

今はドラッグストアのセルフの棚でみますけど。

当時はまだレブロンやマックスファクターが高級化粧品カテだったのです(笑。

ただ

マックスファクターのマスカラは当時は最強でとれない!好んで買ってました。

 

野添ひとみ川口浩

フランス帰りのデザイナー小柳亜矢(京マチ子)は祖母のてつ(北林谷栄)と大学に通っている武志(川口浩)と暮らしている。両親はすでに亡く、亜矢は親代わりとなって弟の面倒をみているのだ。

亜矢にワンピースを作ってもらった女子大生の篠原加奈(野添ひとみ)だが兄の錬太郎(菅原謙次)に酷評され、直してもらおうとデパートを訪れる。

亜矢のデザイン室へ通された加奈は先客がいることに気づく。亜矢の弟の武志だった。

 

加奈の話を聞いた武志は気に食わない花の飾りを切ればと提案。しかし布も一緒に切ってしまい、着ていくものがないと焦る加奈に部屋にある気に入った服を着ればよいという。そこで気に入ったワンピースを着ていく加奈だが、それは別な客のオーダー服だった。

それを知った亜矢は起こって加奈を尋ねるとそこには亜矢が大阪から帰る車中で乗り合わせた男がいた。彼が加奈の兄、錬太郎であったがお互いの身内をかばいあいって二人は険悪に。

ところが武志と加奈はお互い意気投合してデートしたりする。

加奈の家庭も両親は亡く、加奈は出張の多い兄と別れて短大の寮で暮らしている。

夜、武志に送ってもらった加奈だが、武志を部屋にいれたことが寮母(岸輝子)にバレて外出禁止となってしまう。

 

ま、そんな感じで物語は進行。

大阪には小柳家に仕えていた女中の浪花千栄子とその娘、小野道子がいるのだが

ちょっとその関係がわからなかった。元々大阪の商家出身の亜矢一家なのか??

 

京マチ子 そごう内部

見どころは当時の有楽町そごう。

有楽町そごう

今のビックカメラ

昭和33年のそごうの奥にあるビル群が低い。



雨にけむった有楽町

現在の有楽町。変わらないのは電車下のガードだけ。

 

夜は俺のものだ 1958年 日活

監督 森園忠 脚本 阿部桂一

出演 菅井一郎 沢本忠雄 東谷暎子 伊藤周子 堀川京子 高野由美 佐野浅夫

   雨宮節子 草薙幸二郎 大町文夫 嵯峨善兵 鈴木瑞穂 

 

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鈴木瑞穂は刑事役かと思いきや、強盗一味ですぐ殺されてしまうのでしばらく探してしまった。

 

鈴木瑞穂

深夜の宝石店に強盗が忍び込み、宝石を奪う。一味の修吉(鈴木瑞穂)は仲間と別れるが一味一人に背後から撃ち殺されてしまう。その後、警官隊にやはり一味の十太郎(三原一夫)が撃たれ、自分たちの部屋へ運びこむ。

 

住宅街にある小山医院。明け方にドアを激しくたたかれた。小山(菅井一郎)が出てみるとそこには甥の史郎(沢本忠雄)が病人がいるので来てくれと車に乗った小山医師。

行ってみると肩に大けがをしている。どうも銃弾を受けたようだ。設備のある病院に運んだ方がよいという小山だが、どうしてもここでなんとかしろという一味。

仕方なく小山は自分の医院に運ぶことを提案する。

 

沢本忠雄・伊藤周子・高野由美・菅井一郎

それから医院に居座る一味。警察に知らせるなと小山や住み込みの看護婦(雨宮節子)、妻の常子(高野由美)を脅す。史郎は撃たれた十三郎の妹で一味の霧子(東谷暎子)と知り合いで頼まれたらしい。

そんなことを知らない娘の奈津子(伊藤周子)は自分の誕生日だからと同級生、文子(堀川京子)を夕方、家に誘う。

新人とある伊藤周子

伊藤周子

友人役の堀川京子

堀川京子

おめかしして小山医院を訪ねた文子に、奈津子の父、小山は文子の訪問を断らなければならなかった。

 

ギャング一味に家を乗っ取られた奈津子は彼らにたてつくが(勇敢!w)警察がせまっていることを察知した一味は奈津子を人質に倉庫街へ。

なんとかしようと強盗一味のボスがいるクラブへ足を運ぶ小山だが、彼をつける影があった!!

さ~どーなる?

一時間ほどの映画なので展開がスピーディ♪♪

強盗一味の女、霧子は優しいのか優しくないのか??優しい一割、優しくない9割ってところかも。

谷暎子

それにしても不良な親戚って迷惑です(笑。

 

オークフリーより

昭和33年頃の住宅街

 

こんな自宅兼医院というのは昔はよくありました。

私が子供の頃も家の近所にもこんなお医者さんがいて

よく往診してもらいました。背の高い先生でした。

そしてなんと!その医院兼自宅、まだ現存してるんです。すでに先生は亡くなりってますが。

 

穴 1957年 大映 

監督 市川崑 脚本 久里子亭

出演 京マチ子 船越英二 山村聰 菅原謙次 石井竜一 北林谷栄 川上康子

   潮万太郎 見明凡太郎 日高澄子 石原慎太郎 浜村純 春本富士夫 

   岡村文子

 

船越英二京マチ子

 

なんと、石原慎太郎が出演してます。裕次郎じゃなくて慎太郎。

確か何かのインタビューで自分は裕次郎よりカッコ良かったのだって言っていたけれど、ん~~、微妙。兄弟なのでなんとなく似ているけど。

昭和32年石原慎太郎

歌う石原慎太郎

北長子(京マチ子)はジャーナリスト。鳥飼巡査(石井竜一)から猿丸警部(菅原謙次)だと誰でもわかる汚職警官の記事を週刊誌に発表する。それを読んだ猿丸警部は濡れ衣だと激怒。なんとその情報は外国の話で鳥飼巡査が言う前に長子が早合点し帰ってしまったという。

それが原因かわからないが、鳥飼巡査は千葉の田舎で探偵事務所を開設するも田舎過ぎて客がこない。

文芸公論から仕事をもらえなくなった長子は知人の赤羽(北林谷栄)から長子自身が一か月失踪し、もし長子を見つけたら懸賞金をだすという企画である出版社に売り込みに行く。その出版社は大いに乗り気となって長子は失踪する準備をするが気がかりなのは出版社は閑古鳥でお金がない・・・。失踪中のお金は自分で工面することになった長子は銀行にお金を借りに行く。

第億銀行の支店長、白洲(山村聰)と部下の千木(船越英二)は銀行の六井(春本富士夫)を巻き込んで銀行のお金を横領しようと企んでいた。そこで長子に横領の罪を着せようと画策が始まる。

六井は臆病で横領には加担したくなかったのだが、何者かに殺されてしまう。そこへ長子が現れてびっくりしているところへ六井の妹、ふき子(川上康子)が来て長子は殺人犯として警察から追われる立場となる。

 

シュールでコミカルな話でした。

失踪前の長子と失踪中の京子の姿にビックリ

普段の長子

失踪中の長子

見つけられないように変装した長子のほうが京マチ子の普段のイメージでした。

なぜか木の実ナナを思い出しましたが。

 

長子が監禁されるのが川崎あたりの工場街?

夜になったら怖そうな工場街

よくロケに使われた渋谷の高台。遠くに東横が見える。それにしても渋谷に原っぱってすごい。

 

船越英二の勤める第億銀行あたり。渋谷のどこかで三和銀行は確認できた。

 

旅館浮月という看板が電柱にある。

 

ところで菅原謙二の芸名が健次の時がありますが、なんだか名前に”二”がつくのは不運だとのことで”次”にしたようです。(高橋貞二佐田啓二を意識して)

 

 

おヤエの身代わり女中 1959年 日活

監督 春原政久 脚本 高橋二三

出演 若水ヤエ子 藤村有弘 森川信 神戸瓢介 武智豊子 中村万壽子 渡辺篤

   岡村文子 小泉郁之助 弘松三郎 清水義之 刈屋ヒデ子 潮京以子 

 

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日活より

 

武蔵小山商店街がロケででてきたのもあってこれが一番面白かったかなぁ。

昭和34年の熱海ロケもあって「つるや」のパリー風呂内部の映像があります。

すでにつるやはなくなっていますので貴重?映像?

 

つるや旅館の送迎バス

つるや旅館前のお宮の松

つるや旅館のパリー風呂

奉公先の夫婦に赤ちゃんが生まれることになった。おヤエはプレゼントを買おうと商店街へ。これが武蔵小山商店街なんですよ~。

武蔵小山商店街のアーケード

私も碑文谷にいたころよく行きました。この頃からアーケードだったんですね。

洋品店が多い記憶があります。

タケヤ洋装店

タケヤ洋装店

タケヤ洋装店

なんとこのタケヤ洋装店は現存し、多分ビルも同じではないかと思います。

今は店先でジェラートを売っており、そちらのほうが有名なようです。メインの子供服というより今は学生服専門?のようです。

現在のタケヤ洋装店

そこで福引券をもらってガラガラを回すとなんと一等の熱海・伊東・3泊4日が当たる。一度は八等の下駄にしてもらうが、主人にそのことをいうとせっかくだから旅行に行ってこいといわれ下駄を返してやはり旅行にしてもらう。福引所でもう交換はしませんよと言われるおヤエさん。

 

旅行の日、同じく一等が当たった、小唄の師匠、達之介(藤村有弘)、中学生の金二郎(清水義之)、老婆の山田トリ(武智豊子)、保険屋の波川清(小泉郁之助)一行と熱海へ。そこで同郷のお清(中村万壽子)と会ったおヤエはお清の父の具合が悪く、田舎へ帰りたいが、旅館の主人が夫婦(森川信・岡村文子)は前借が2か月もあってそのまま行方をくらませるかもしれないと帰らせてもらえない。

なんだか岡村文子は久しぶりに見た感じがします。懐かしい。

 

そこでおヤエさんがお清が帰ってくるまで自分が女中として働くと遊びに行った旅館で働くことに(笑。

おヤエさんの働きがすごく、団体客を連れてきたり、泥棒を発見したり旅館の主人はおヤエさんにずっと旅館にいてもらいたいと給料の2倍だすというがおヤエさんはお金の問題ではなく、私はお清が帰ったら東京へ帰りますという。

どうしてもおヤエを引き留めたい主人に客引きの留吉(神戸瓢介)がお清が帰らないようにすればよいと、お清が帰る日に熱海駅待ち伏せし、お清に急遽、伊東の旅館へ住み替えて欲しいとウソを言う。それを真に受けたお清はその足で伊東の川良旅館へ。

私も子供の頃川良には泊まったことがあります。伊東じゃなくてどこか違う場所の川良でできたばかりらしく、新築のいい匂いがしていたのを覚えています。

 

一方、おヤエと一緒に来た一行は伊東へ移動し、なんと川良へ泊る。

そこでお清が働いているのを知っておヤエに知らせ、お清が帰ってこないからとまだ働かされていたおヤエは無事、東京へ帰ることになった。

 

途中、生まれたであろう赤ちゃんに風車を買って帰ると家の前を掃いている娘がいた。

なんと熱海から帰れないと知らせた主人夫婦は仕方なく新しい女中を雇っていたのだ。

がっかりしながら去るおヤエさん。

って、やっぱりさすらってる♪

日活より