日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

殉愛  1956年 東宝

監督 鈴木英夫 脚本 沢村勉鈴木英夫 原作 山田照子

出演 八千草薫 鶴田浩二 笠智衆 夏川静江 小林桂樹 加藤大

   佐原健二 多々良純 

 

戦争という抗し得ぬ暴力に死をもって抗議し、学徒出身の特攻隊員である夫に殉じて、若き生命を断った妻の手記を基にして映画化する愛の物語。

MOVIE WALKERより

 

主人公照子(八千草)は学徒出陣で海軍予備学生の恋人鶴田浩二がいる。

鶴田浩二は特攻隊員に選ばれ、まず佐原健二加藤大介が飛び立つ。

佐原健二加藤大介がすぐに亡くなってしまうのは え?と思った(笑。

 

入隊した鶴田を八千草が訪ね、「結婚して欲しい」と鶴田に頼むが、鶴田は死ぬことがわかっている自分と結婚することはあなたが不幸になるという。

その時、敵機から爆撃を受け、かろうじて助かった二人。鶴田は「生」について考え直したのか八千草と結婚する。

 

軍隊へ帰る鶴田。

 

佐原から遺書を渡された小林桂樹だが、小林も特攻することになる。

鶴田が遺書はないのかときくがそんなものは書かないという。

特攻前夜、小林が盲腸?になってしまい、急遽手術。小林の代わりに鶴田が特攻することになる。

 

遺書をベッドで寝ている小林に渡すように多々良純に頼んだ鶴田だが、比翼を撃たれ、

このままでは任務(敵艦に突っ込むこと)が遂行できないと判断した鶴田が戻ってくると上司はなんで死んでこなかったのだと不機嫌で、翌日の特攻をまた命じられる。

その夜、八千草の許で一晩を過ごした鶴田は翌朝8時出撃のため電車に乗っているとその電車が爆撃される。

八千草は同じ8時に死のうと毒薬を飲む。

命からがら戻った鶴田が見たのは八千草のモノ言わぬ亡骸だった。

「一緒に戦争のない国へ行こう」と鶴田は持っていた拳銃で自殺・・。

 

鶴田浩二が3回ほど「間抜けた顔?」になるのだけれど、セリフがない場面で

それを表情で表そうとしているのはわかるけど、え?といううすぼんやりな顔になった。

 

しかし!八千草薫がとにかく美しい!照明さんのおかげもあるけど、

とにかく美し過ぎて脚本の稚拙さをカバーしてあまりある(笑。

当時25歳。今でいうと北川景子

 

私が最初に八千草薫を知ったのは山田太一の「岸辺のアルバム」の母親役だった。

だからおばさん(といっても当時46歳)の八千草が最初。

その後、社長シリーズでおきゃんな若い娘役をみるようになったがイメージは清楚で優しい女性。

 

この映画の八千草の顔、目がつり気味で(若いからか 笑)北川景子と似ている。

とにかく美しい!