日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

蛍火  1955年 松竹

監督 五所平之助 脚本 八柱利雄 原作織田作之助

出演 淡島千景 若尾文子 森美樹 伴淳三郎 沢村貞子 三島雅夫 三好栄子

   三井弘次 東野英治郎 中村是好 須賀不二男

 

伏見の船宿 寺田屋の女将登勢を中心とした物語。そこへ幕末の志士坂本龍馬がでてくる。どこまで本当でどこまで作り話なのか、うまくミックスされている。さすが八柱利雄!

 

登勢(淡島千景)は寺田屋の跡取りで甲斐性がない夫(伴淳三郎)の元へ嫁ぐが、姑(三好栄子)からは水飲み百姓の娘といわれ、小姑からは五十吉という男の間に生まれた赤ん坊の面倒をみることになる。

その小姑は、五十吉(須賀不二男)と組んで登勢を家から追い出そうと悪だくみするが姑の医者、東野英治郎が巷に「見たな詐欺」という話をすると登勢が粗相をしたといって集まってきた親族は登勢は悪くないとわかる。

詐欺はこうだ。男が宿屋へ行き、明日泊まるからこれを預かってくれと包みを渡す。その時、この荷物の中身は絶対にみてはいけないと言い、去る。翌日、宿屋に訪れた男は登勢から荷物を受け取ると、登勢に中身を見ただろうと詰め寄る。

ビックリして否定する登勢に、男は中の人形を見せ、人形に語り掛けると人形は

「見た、見た」という。(これには笑ったけれど、織田作はその時代にそんな詐欺があったのを調べたのかもしれない・・・あるいは八柱利雄か?)

 

ある日、宿のタマゴを盗んだと軒先で女の子を連れたおじいさん(中村是好)が殴られている。仲裁に入った登勢はそのふたりにご飯を与え、その娘は医者の娘だったが両親が死んでいくところがないということに同情して引き取る。その子がおりょう若尾文子)だ。

 

時は幕末。裏口から坂本龍馬が泊めてくれとやってくる。なぜか登勢は坂本を気に入り、逗留させる。娘のおりょうは18歳になっていた。

夫は京都へ行ったきり帰ってこない・・・登勢が坂本をどう思っているかが控えめな演出で表現されている。さすが五所平之助

 

坂本龍馬役が森美樹という人だけれど、動く彼を初めてみたがすごい美男子!

彼がでてくるたびに「ガン見」笑 してしまった。

彼が早死にせずに嵯峨美智子と結婚していたら、嵯峨美智子の運命も変わっていたかもしれない・・・と思った。

 

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登勢も見惚れた?森美樹の坂本龍馬

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