日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

猫の散歩 1962年 櫻映画社

昭和37年、野良猫からみた人間の物語。当時小児麻痺が問題となっていたらしく、人々の公衆衛生観念がよくわかる。

なんと監修が山本嘉次郎

 

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猫の影を背景。洒落た映像

出演者は 猫

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主役

猫が立ち寄る一軒に(多分)原ひさ子じゃないかと思えるおばあさんが・・・

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原ひさ子

映像ではごみ屋さんが来ないのでみんな好き勝手にごみを捨てる。ある家では裏庭?に穴を掘ってそこへ捨てている。

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この生ごみも立派な猫のエサとなるのだが・・・

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人間の捨てたごみを食べる。

びっくりなのがごみ屋さんのごみの収集方法。リヤカーでやってきて大きなざる?かごを道に置くとみんなそこへ生ごみをいれる。

それにしても、ごみ=生ごみのみってスゴクない?今は生ごみより包装容器のほうが多い。

 

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ベルを鳴らして籠をおくと方々から奥さんたちが集まってくる。

猫がネズミを捕ろうとすると、ネズミの身体にはダニがいっぱいくっついていて・・・

わーとなる。次にネズミが屋根裏で走り回っているのに家族で食事しているところになって、猫はわーダニが落ちてきているのに、人間って平気なのか?みたいなこと言う(笑。ちなみに猫の声はサザエさんのカツオ役の高橋和枝という人だという。

 

夏には側溝にぼーふらが湧き・・・不衛生なのでみんなでどぶさらい。

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この時代、隣近所の仲良くしないとどんなことになるのか怖い(笑

魚を積んだトラックが家々を回って売り歩く。そこへ主役の猫が魚を盗もうとしているところへ魚屋さんにみつかり、猫は川へ放り投げられる!今なら動物虐待だ。

必死に泳いで岸まで行った猫。自分の町まで走る!はしる!

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魚屋さんに捕まった!

 

最後はもう野良猫はやめて優しいおじいさん、おばあさんの家の飼い猫になる決心をするのだ。

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自分のからだをきれいした猫

やっぱり昔より今のほうが全然良いと思った映画でした(;'∀')

いくらなんでもごみ屋さんがなかなか来ないって・・・そんな時代なんだ。

この映画の町って多分東京?のようだけれど。(街並みからいって田舎ではなかった)