日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

警視庁物語 追跡73時間 1956年(12月)東映

監督 関川秀雄 脚本 長谷川公之

出演 堀雄二 星美智子 南原伸二(南原宏治)藤里まゆみ 神田隆 須藤健

   花沢徳衛 加藤嘉 今井健二 関山耕二

 

なんと花沢徳衛が刑事ではなく偽医者役で登場。さらに後の回で大阪の刑事課長?役だった加藤嘉が犯人役。警察官に撃たれ、偽医者に弾丸を摘出してもらうのが加藤嘉の仲間の今井健二

 

深夜のガソリンスタンドにタクシーが給油しに来るが、従業員を射殺し、金を奪う。

犯人はどうも左利きらしい。

 

当時の旅館(連れ込み)宿に張る刑事、関山耕二が地味によい。

宿帳には犯人と思しき人物の名前が残されていたが、なんと「鳩山一郎」(笑。

 

当然偽名だ。

 

犯人を追って新宿のドヤへ張り込む南原伸二。ドヤから出て来た売春婦に焼きそばをおごる。この売春婦役の女優さんはなかなかよかった。これが藤里まゆみという人。

 

上野公園では泣きバエと言われる商売が行われ、そこで売ろうとしていたのが米軍人宅から盗んだ万年筆。泣きバエというと「男はつらいよ」で寅さんが北海道でりりィさんと北海道で出会ったパパさん(船越英二)と組んでやはり万年筆を売る場面が思い出されるけれど

この映画での泣きバエは田舎に帰るための汽車賃が欲しい少年に声をかける男が買ってやるというが集まってきたみんなに今お金がないから誰かこの少年を助けてくれないか?と言う。すごい演技力。

そこを刑事が見ていて捕まえるとそれが米軍人から盗んだ万年筆であった・・・という筋書きに繋がる。

 

この回でドンパチはない。これはなかなか良い。

 

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楽天より