日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

夢みる人々 1953年 松竹

監督 中村登 脚本 野田高梧 中村登 原作 吉屋信子

出演 高峰三枝子 若原雅夫 桂木洋子 柳永二郎 沢村貞子 紙京子 若杉英二

   細川俊夫 

 

衛星劇場より

年末に録画したNHKの未解決事件・・・帝銀事件松本清張が追ったものをドラマにしたものとそれを検証したものを放映・・・。なんかね、暗くなるのよ(笑。

アマゾンプライムビデオで帝銀事件死刑囚っていうのがアップされていて(多分今でも)見ようかとも思ったが、お正月早々くらーい気分になるのもなんだよね・・・で

この「夢みる人々」を鑑賞。

 

なんだか爽やか~~~な気分になってやっぱりこれにして正解だと思った(;^_^A

 

伴真也(若原雅夫)は裁判にかけられ南方であやうく死刑判決を受けるかもしれなかった荒川丈太郎(多々良純)の裁判の証人になったことで荒川からは先生と感謝され、共に戦後5年経って共に日本へ帰ることができた。伴は麹町に住んでいたがすでに両親は亡く、伴の遺産は腹違いの姉夫婦が管理しており、伴はその資金でなにかやろうと思っている。途中の熱海にいる亡き父の知人の柴田(柳永二郎)宅へ寄ると、幼馴染で空襲でやはり両親を亡くした柴田の孫娘の澄子(桂木洋子)も一緒に住んでいた。澄子には兄がいたが祖父の柴田とは仲たがいし、今は行方知れず・・・。

 

伴にはお互い将来を誓い合った百合子(高峰三枝子)がいたが、彼女の家も没落し、母も亡くなり、彼女は戦後の成金の家へ嫁に行ったという・・・。それを聞いてショックをうける伴だが心機一転やり直そうと東京の姉の家へ行く。

ところが姉の夫が管理していたはずの伴の財産は全て借金のかたに取られていた。

その相手が百合子が嫁に行った浜口という家だった・・・。

 

東京では宿無しの伴が荒川の家へ行くと、彼は伴を歓待し部屋を提供する。

荒川は製材所を経営していたが妻が元芸者で、職のない伴を知り合いで今は鎌倉に囲われている女性の旦那である建設会社の社長を紹介してもらい、そこで働くことになった。

百合子は伴の帰国を知って彼を訪ねるが、伴は百合子にきっぱりもう会わないという。

 

最初のうちは、高峰三枝子の夫の細川俊夫もあまり良い夫ではなく、結局すったもんだの末に高峰三枝子と一緒になりめでたしなのかと思っていたら、そんな結末ではなく、

さらに若原雅夫を慕っている桂木洋子とも一緒にならず、

でも各自めでたし、めでたしな結末。

 

この終わり方、さすがに野田高梧か!!!(と思ったが、原作がそうかもしれない)

 

帝銀事件で暗くなった気分が爽やかになった映画でした(笑。

 

オークファンより