日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

台風騒動記 1956年 松竹

監督 山本薩男 脚本 八柱利雄 山形雄策 原作 杉浦明平

出演 菅原謙次 野添ひとみ 佐田啓二 佐野周二 桂木洋子 宮城千賀子 藤間紫

   加藤嘉 渡辺篤 三井弘次 三島雅夫 多々良純 中村是好 飯田蝶子

   坂本武 左卜全 

 

衛星劇場より

1953年に愛知県福江町を襲った台風被害とその後のルポタージュを原作とした作品。

まず、「天災のあとやってくるのは人災」とスクリーンに映し出される(笑。

 

台風被害を受けたある町。町長をはじめとした町の顔役たちが小学校の木造校舎を補助金でコンクリートにできるぞ!と知り、みんな自分の利益を考えて大賛成。住む家を破壊されて避難している町民そっちのけで日夜、料亭いろはに芸者を呼んで密談を交わす。校舎は被害が多少あった程度だが、大蔵省の役人が調査に来る前に壊してしまおうと倒壊させてしまう・・・っていうハチャメチャな話。

 

小学校で代用教員をしている神社の息子、務(菅原謙次)を訪ねて吉成(佐田啓二)がやってきた。ところが町長夫人に小学校までの道を訊いた彼をてっきり大蔵省から調査に来た役人だと勘違いしたことからドタバタが始まる。

吉成を無理やり料亭へ連れて行き、酒を飲ませたり、賄賂を渡したり、町一番の美人芸者、静奴(桂木洋子)を呼んだりで接待するが吉成はなにがなんだかわからない。

 

コメディだが、町の警察官(多々良純)がよそ者の吉成のことを日々記録していたりして彼は「アカ」だということになる。

吉成と意気投合した芸者の静奴。吉成から一緒に東京へ行かないか・・・と言われるが首を横にふる。やはり借金?でしばられているのだろうか・・・こういう描写があったりだから笑いを誘って最後はめでたし・・・という映画でもない。

 

こういった問題は今でも世間を騒がせている。人間って変わらないんだね(笑。

 

松竹より