日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

殺すが如く 1948年 大映

監督 田中重雄 脚本 山崎謙太 八坂薫 原作 高田保

出演 水戸光子 若原雅夫 東野英治郎 平井岐代子 植村謙二郎 羽鳥敏子

   滝廉太郎 高品格 潮万太郎 加原武門

衛星劇場より

戦後3年で封切された映画・・・なので主演の女優さんは松竹からよんできた水戸光子ってところがまだ大映には観客を呼べる女優さんがいなかった?ってことなのだろうか。物語で焼けた小学校とかの設定がでてくるのがやはり戦後すぐって感じ満載。

ちょっとロケもあって、靴磨きの女性たちがいるところは新橋駅だと思う。

 

これは埋め立てられた築地川?

大陸から引き上げる途中で両親を亡くした絢子(水戸光子)は当時面倒をみてくれた世相真報という新聞や雑誌を出している島本(植村謙二郎)の元で”新聞に書くぞと脅して相手から金をとる”・・・という手先となってしまった。

 

銀座の西田医院は得たいのしれない女相手に堕胎をし、院長の西田平蔵(東野英治郎)は一儲けしていたが、中には死んだ患者もいてそれをネタに絢子が院長から5万円をゆすり取る。その上をいく平蔵は、部下の医者に女の後をつけて渡した金を取り戻してこいと命じるが、復員後、ろくに仕事もせずブラブラしているやはり医者の息子、一平(若原雅夫)は絢子に興味をもち、自分が後をつけることに・・・。

 

女はクラブの地下へ入っていった。その建物の上階に世相真報の事務所があり、そのクラブも島本が経営していた。

絢子は一平につけられているのを気づくがそのままクラブへ。一平も入店してテーブルに座ると絢子が金を投げ返す。しかし一平は金を取り返そうとはしない。

そこへ島本が現れ、絢子は奥へ消えていく。

こんな生活が嫌な絢子の葛藤・・・。絢子をなんとか自分のものにしたい島本。

一平に憧れる靴磨きの女性(羽鳥敏子)、院長の2号?だか後妻だかの女(平井岐代子)。そうそう、警察署では受付にいる警察官で若い高品格の姿があった。さらに新聞社の社員に若い潮万太郎と加原武門が登場。

 

若原雅夫の後ろには高架がみえ電車が走っている。新橋界隈?

題名から西田医院で起こる医療過誤の映画かと思ったが、水戸光子と若原雅夫の恋愛ものがメイン、しかしいつ彼らは愛し合うようになったのか?ちょっと謎。

さらに悪だった一平の父の平蔵(東野英治郎)が警察へいって洗いざらい喋る気になったのは何故?と疑問が残りつつ映画が終わった(笑。

 

ヤフオクより