日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

霧に消えた人  1963年 日活

監督 吉村廉 脚本 才賀明 柏正人 原作 円地文子

出演 浅丘ルリ子 二谷英明 葉山良二 藤竜也 笹森礼子 藤村有弘 浜村純

   殿山泰司 吉行和子 細川俊夫

 

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日活より

クレジットをみていて、勝手に二谷英明が霧に消えて、結局、ルリちゃんは葉山良二と結ばれるのか?と思ったが、霧に消えたのは吉行和子細川俊夫の不倫カップルってオチでした(笑。

 

美沙(浅丘ルリ子)が学生の下宿時代から知っている桐生の織物問屋の長年、槙夫(葉山良二)と結婚話が持ち上がり、美沙の両親、特に母親はいい話だといって喜ぶ。

父の信行(浜村純)は本当に好きな人と一緒になればよいという。美沙は槙夫が好きだが、なんとなくこのまま結婚してよいのか迷うのだ。

 

そんなある日、偶然知り合った朝吹(二谷英明)・・・同僚の由利子(笹森礼子)と朝吹の会社の部下、末常(藤竜也)と食事へ行ったりしているうちに美沙は朝吹に心惹かれていく・・。

 

槙夫の家の両親は美沙からいつ返事がもらえるのか?と槙夫をせっつくが、槙夫は美沙にも事情があるのだろう、自分はいつまでも待つつもりだと意に介さない。

 

大学からの友人の岸子(吉行和子)は朝吹の会社の宇品(細川俊夫)と不倫関係で岸子は悩んでいる。だからと言って宇品と別れる決心もつかないが、そんな岸子を心配して美沙は別れたほうがよいと忠告する。

この映画、常盤橋界隈で撮られたようで、日本銀行本店前の当時の常盤橋をルリちゃんと吉行和子が話しながら渡る。

随分前から架け替えの改修工事が行われていた記憶があって、昔、三越の帰りによく通った。当時はホームレスが常盤橋に隣接する公園?に住んでいて、こんな東京のど真ん中に住んでるっとスゴイとなぜか思った(笑。その時(20年くらい前)は通る人は皆無だったけど、今は日本橋近辺は再開発されてずいぶん変わったと思う。

丸の内もオフィス街のはずだったけどなんだかお勤めの人じゃない人達(まぁ高齢者、観光客)が平日もたくさんいるようになった。三井とか三菱の努力か?((;'∀')

 

朝吹たちとハイキングへ出かけた美沙。小屋を目指しているうちに二人きりになったが

ちょっとした口喧嘩をして怒った美沙はひとりでドンドン歩いていく。ところが道を外れてしまい、美沙は気絶(って・・・)。朝吹は美沙に水を飲ませようと自分の口に水を含んで・・・(って w)。気づいた美沙は朝吹への思いから抱きつき、二人は愛を誓う??

 

って、槙夫、どーするんだ??

ここから変なんだけど、美沙から朝吹とのことを聞いた父は槙夫との話を断るために桐生へ、しかし脳梗塞かなんかで槙夫の家で倒れ、桐生で世話になることに。

まだ何も知らない槙夫一家は美沙の父の面倒はみるといい、慌てて駆け付けた美沙にも好意的に接する・・・。

 

美沙も、父も槙夫の家に世話になっているので結婚を断るという話ができないでいる。

(なんてメンドクサイんだ 笑)。

 

朝吹は朝吹で早く嫁を貰ってくれという母を田舎から呼んで美沙の話をするが

そんな父のいる嫁をもらったら・・・と言われるが、朝吹は心配しなくてよいという。

母親がこれから自分の世話をしてもらおうと思ってるのに・・・みたいなことを言うのは時代だね~~。

 

岸子と宇品は山中で服毒自殺。それが霧の中だった・・・ってこの話とか、美沙の会社にいる重役の息子で美沙を誘ってばかりいる藤村有弘っているの?w

 

最後は、槙夫と朝吹が顔を合わせ、美沙とどっちが一緒になるのか??で終わるのだが、成瀬巳喜男とは違って「どっちだよ?」と突っ込み入れたくなる終わり方でした。

 

日活より