日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

共犯者 1958年 大映

監督 田中重雄 脚本 高岩肇 原作 松本清張

出演 根上淳 叶順子 高松英郎 船越英二 宮口精二 倉田マユミ 多々良純

   山茶花究 星ひかる 若松和子

 

ナタリーより

さすがの松本清張原作。ハラハラドキドキがとまらなかった。心理学的に言えばその状況はなんであれ、ハラハラドキドキの後、人間は恋に落ちやすくなるという(笑。

 

九州、福岡。家具のデパート丸堀の社長、内堀彦介(根上淳)は伝統工芸に従事する父を持つ名家の娘、雅恵(叶順子)と婚約披露宴を行うシーンから始まる。

内堀は数年で財をなし、立身出世した人物として祝福される。そんな中、内堀はある心配事があるのだ。

 

5年前までしがないセールスマンで日本中を回り、食器を売っていた内堀。顔なじみで漆器のセールスをしている町田(高松英郎)という男と安宿の湯で一緒になり、なにかうまい話はないですかね?と訊くと町田は「ある」という。

それは銀行強盗で二人は金を盗み出し、町田は殺人も犯す。二人で山分けした金。

そこで町田は何かを始める元手ができたし、これからはお互い知らない者だと言い、別れる。

 

雅恵と婚約した内堀は町田はどうしているだろうか・・・もし町田が自分のように成功していなかったら、後々、町田に強請られてとんでもないことになるんじゃないかと不安になる。

そこで町田と交わした約束も忘れ、密かに町田を探ろうとする。

成功した今、内堀は町田の存在が恐ろしいのだ。

 

知っていることと言えば町田が高崎に妻と住んでいたということだ。

そこで高崎の電話番号で町田武治という人物がいないかと番号案内で尋ねるとなんと同姓同名の人物が高崎で漆器店を営んでいることがわかった。

そこで内堀は考え、高崎の新聞広告に記者募集し密かに町田の動向を探らせようと

高崎在住で無職の竹岡(船越英二)という男を雇うことにした。

竹岡は妻のミシンの内職で多少の現金を得ている。給料が2万円もらえる仕事を単純に喜ぶ。

福岡にいる内堀とは郵便局の私書箱宛てで報告すればよい。

竹岡の調査だと町田は漆器店を営んでいるということであったが、店の事務員の女(若松和子)と付き合い、妻とは仲が悪いということだった。そして連絡を重ねると町田は女と千葉へ行ったという。店には借金もあったという。

内堀はどんどん不安になる。

 

竹岡からは千葉に行った町田の調査をするために自分も千葉にアパートを借りたいとあり内堀はすぐにアパートの権利金や前家賃、5万円を送る。

 

一方、天真爛漫な雅恵は内堀との結婚を楽しみしているが、内堀には隠し事はしてほしくないと言う。そういわれると内堀は気が重くなるのだ。

今は内堀の家で働いている女中のキク(倉田マユミ)は元々雅恵の家にいた女でなんだか内堀の動向を探っているようでこれも気味がわるい。

 

竹岡の調査によると町田は千葉でもうまくいかず、女にも逃げられ、日雇い労働をながら友人を訪ねて西へ移動していくが友人にも借金を断られ益々困窮していると便りがある。

神戸、岡山・・・町田はドンドン九州へ近づいていく!!

 

ドンドン近づく町田に追い詰められていく内堀~~~~~~~。

 

最後はビックリな展開でした。

大映を代表する俳優さん勢ぞろいな作品でした。

 

オークフリーより