日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

赤い天使  1966年 大映

監督 増村保造 脚本 笠原良三

出演 若尾文子 芦田伸介 赤木蘭子 川津祐介 

 

映画.comより

まだアマゾンプライムビデオもなかった頃、大映映画にはまり、結構な数のDVDを買っていた。日本映画を紹介する本なども購入し、この作品も欲しいなぁ~若尾文子だし!と思っていた。

基本、戦争をベースにした作品は記事にするのは気が重い。なにせ軍隊の階級もよくわからないし私ごときが戦争を語っても良いのか?と思うから。

 

だけどね~~、ナニコレ?戦争に名を借りたエロ映画としか思えないんだけど。

もちろん、若尾文子がポ〇ノ女優みたいに脱ぐわけではないが。(代役あり)

この作品を高評価された外国人もいたようで海外でも人気が高く、日本の2015年の若尾文子の映画祭において第2位(1位はしとやかな獣)にランクイン(wikiより)されたという。

ふ~~~~ん。そーなんだ~。

評論家のローゼンバウムなる人は「気難しい人やポリティカル・コレクトネスに縛られている人には勧められないが、云々」そう、それ私(笑。

極限状態における男女の愛はいいけどさぁ。私からするとなんだこれ?な作品でした。

極限状態である男女の愛が凄すぎて、

① 天津に送られた看護婦の西さくら(若尾文子)は深夜の見回り中、兵隊たち数人に犯されてしまった。その後、婦長(赤木蘭子)に報告すると彼らの犯行はこれで3回目で(え?)もう勘弁できないと前線へ送られる。

その後、西が移った分院で彼女を襲った兵隊が運び込まれる。彼は西に死にたくないと懇願するが、出血がひどい。岡部軍医(芦田伸介)に輸血を頼む西だが、輸血は特別な者しかできない、それでも輸血して欲しければ夜、自分の部屋へ来いと言われる。

なんとそれを承諾し、兵隊は輸血されるが結局彼は死んでしまう。西は彼を死なせたのは前線に送ることになった原因を作ったからだと自分を責めるのだ(え~~~~オカされたのに??w。

 

② 次々と運ばれてくる兵隊。なにもかも不足している病院では負傷兵の腕や足を切り落として生かすほか方法がない。岡部軍医の措置によって両腕を失った折原一等兵(川津祐介)。彼の身体を拭き、世話をする西に彼は男性の欲求を訴える。

西は彼の要求に応え、さらに彼を街中のホテルに連れて行き・・・

って(;^_^A。

折原は自分は幸せだというが、病院の屋上から身を投げて死んでしまう。

そして西は彼を殺したのは自分だと思うのだ(え?

 

③ 日ごろからモルヒネを注射して中毒となっている岡部軍医。すでに西は岡部に惹かれている。前線に近い部落に送られた岡部と西はそこの慰安婦コレラを発症したのを皮切りに次々と発症者が激増していく。まず3人いた慰安婦全員の隔離を行うがそこへ欲求を爆発させた兵隊がまだ元気な慰安婦を寄越せと押しかけ、あげくに西の後輩の看護婦に襲い掛かるw。なんなんだ??夜になり敵が襲って来るので兵隊たちは待ち構える。そんな中、指揮官もコレラを発症。

岡部軍医の部屋。モルヒネ中毒で男性としての機能が果たせない岡部のために西は岡部を縛り中毒症状を我慢させる。すっかりモルヒネが抜けた?岡部は西の奮闘もあって(笑、二人は結ばれるのだ!って え??どーせ死ぬんだからが前提なんだけど君たち、そんなことしてていいのかね。岡部の部屋へ入り浸る看護婦ってどーなの?

最後にふたりはお互いの身体にキスマークをつける(ひゃ~~~~)。

 

まぁ、設備もない野戦病院?で手足を切り落とすしかなかった医師や手足がなくなった兵隊は日本に帰国してもその姿を見た国民が戦意を消失しないように家族の元へ帰ることが許されない といった話は本当なのかもしれません。もちろん戦地だからといっても男性の欲求もあるでしょう。ただ男女の出来事のシーンが多すぎて、同じく大映の「野火」のような映画を期待していた私には???な作品でした。

確かにこの映画の若尾文子は男性には天使なんでしょうが。この映画の題名は正しい(笑。

日本映画界が斜陽になった一因に女性客の存在を忘れていたというのもあるんじゃないですか。その後、ヤクザ映画全盛になりましたがどれだけの女性が見に行ったんでしょうか?

それにしても当時、アベック(古)でこの映画を見に行ってしまった人たち、喫茶店でどんな話の展開になったのか?恋人(女性)の反応が非常に気になります。

 

関係ないですが、西さくらが自分のことや婦長、軍医から呼び捨てで「ニシ」と軍隊風にいうんですけど「イシ(石)」と聞こえて仕方がなかった。

 

手足を切った兵隊さん。私が幼稚園の頃は(1960年代中期)池袋東口あたりに、一人はアコーディオンを弾いていて(片足なし)、もう一人はなにか腕立て伏せみたいな恰好をしていた(両腕なし)包帯姿のおじさんが募金箱を置いていました。母がなぜかよく私に募金箱にお金を入れてこいというので恐る恐る(その人たちが何者なのかもわからない)お金をいれたのを覚えています。その後、偽の兵隊さんたち?も現れたようですが、いつの間にかそういった人たちは見かけなくなりました。

 

movie walkerより