日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

母孔雀  1956年 東映

監督 伊賀山正光 脚本 笠原良三 原作 竹田敏彦

出演 三浦光子 増田順二 田代百合子 岡譲二 高田稔 高倉健 宇佐美淳也

   松島トモ子 加藤嘉 斎藤紫香 

東映チャンネルより

脚本が笠原良三だったので期待しましたが、基本、母モノ、当時の悲恋モノなので

最後はなんだかイライラ(笑。映画に挿入される西田佐知子が歌うメロディに古さを感じました。なにせ、あの松島トモ子が子役時代ですから、どんだけ古いの?と思いきや1956年・・。そーでもない(;^_^A。松島トモ子は1945年生まれで撮影当時は11歳くらい。あの吉永小百合と同じ年齢なんですね。なんだかイメージ的にもっと古い女優さんかと思っていました。

 

兜町の紅一證券の女社長、紅谷しず江(三浦光子)。夫亡き後に会社を継いで「紅孔雀」と噂されるほどのやり手だ。

ここで当時の兜町界隈の映像。

東京証券取引所が大写しになる。

東京証券取引所

内部の様子

 

しず江の秘書、三沢(増田順二)と二人三脚で東海化学の増資の権利を狙って社長(高田稔)がいるゴルフ場へ駆けつけると商売敵の矢野(岡譲二)がいた。

岡譲二!無声映画田中絹代相手にギャング?やってましたね。

紅一證券、社長秘書の三沢は女癖が悪く、三沢に騙された?ような女に三沢が金を渡すシーンがあります。この場所も兜町の橋の上で現在は下が高速道路になっています。

兜橋

日証館も映っていますがなんと今も現存している貴重なビルです。兜橋を渡って「女経」という大映映画でキャバレーのホステス役の若尾文子も株を買いにせかせか兜橋を渡るシーンがありました。

日証館(ブレててすいません)

兜橋上の女性の後ろに「水戸証券」とあるビルが映っていますが現在はみづほ銀行?

 

しず江は紅谷と結婚する前は静岡にいたが働かない夫と幼い娘ふたりのために住み込みで宿屋の女中をしていた。久しぶりに帰省するとそこには知らない女がいた。夫は娘もその女に懐いているといい、怒ったしず江は家を後にする。旅館に戻って働くが、ある日身をなげようと海岸へ。そこで身体の弱い息子の療養にきていた顔なじみの紅谷(宇佐美淳也)に助けられ、後添いとなったが、紅谷は亡くなり、今は大きくなって絵を描いている義理の息子、俊夫(高倉健)とふたり、邸宅暮らし。紅谷家の親戚から俊夫と幼馴染の晴美(園ゆき子)との結婚話がもちあがるが、俊夫は乗り気ではない。

この園ゆき子とい女優さん、岸惠子系と吉行和子を足して2で割ったような顔?

園ゆき子

園ゆき子・高倉健

そんなこんなで面白くない俊夫は、ドライブへ行くが途中、小学生をはねてしまう。

って、ここで松島トモ子登場。病院で処置を受けていると姉、淳子(田代百合子)が慌ててやってくる。幸い、妹の正子(松島トモ子)は軽症で(それでも骨がおれている)、帰っても良いということになった。(え?)そこで俊夫はその姉妹のアパートまで車で送ることにする。

偶然知り合った俊夫と淳子はその後、デートを重ねる。

その後、俊夫は淳子に結婚を申し込み、淳子に紅谷の家へ来るように言う。

しかし、自分の利権でどうしても俊夫と晴美を結婚させたい叔父夫妻はやってきた淳子を追い返すようにしず江にいうが、なんと淳子と正子は8年前に置いてきたしず江の本当の娘二人であることがクビにした三沢によって知らされたしず江。

まさか自分の本当の娘だとは知らなかったしず江だが、それに気づいた叔父夫婦から実の娘と俊夫を結婚させるつもりだったのかと責められる。

さらに母、しず江の苦難は続くのだ・・・。

実の娘からは捨てられたと思われ、義理の息子の俊夫からは結婚を反対し、淳子から別れの手紙がきたことを責められ、さらに娘ふたりを自分の父との結婚前に産んでいたことを隠していたと言われ。(ただ、その娘が淳子であることは俊夫は知らない)

だが娘と俊夫の幸せのために、しず江は「もう俊夫とは会わない」と手紙を送ってきた淳子を探す。なんとクビにした三沢とクラブで踊る淳子!

三沢が紅一證券にいた頃、淳子が勤めている東海化学によく出入りしており、お互い顔見知りで、淳子は三沢に誘われたのだ。

酔って三沢のアパートへ連れていかれた淳子!そこへしず江が入ってくる。帰ろうと言っても嫌だという淳子。ことのはずみで果物ナイフをもったしず江ともみ合いとなった三沢はあおむけに転び、一緒に倒れたしず江・・・もっていたナイフが三沢にささる!

慌てて淳子を部屋から連れ出し、俊夫の待つ紅谷家へ連れて行き、しず江は自首する。

裁判で検察から7年求刑されるが、何も言わないしず江に弁護人は難儀する。裁判を傍聴していた淳子がたまらず叫ぶ!

その後、淳子の証言によって執行猶予がついたしず江は俊夫の車で、淳子、正子とドライブに出かけるのだ。終わり☆

ナヨナヨした女のイメージが強かった三浦光子ですが、やり手女社長もなかなかで、その後の話の展開が娘思いのナヨナヨした古い女性になるのでそれも本来のはまり役でした。

 

三浦光子

おまけ いつまでもハンサムな高田稔

高田稔

 

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