日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

越前竹人形 1963年 大映

監督 吉村公三郎 脚本 笠原良三 原作 水上勉

出演 若尾文子 山下洵一郎 中村玉緒 中村雁治郎 殿山泰司 浜村純

   西村晃 村田扶美子 嵐三右衛門

 

 

水上勉の作品って暗くて怖い。この映画では原作を少し変えてますがこれもこれでなかなか良い。原作通りだと2時間越えは必死でしょう。

若尾文子の写真集の表紙に使われたのがこの作品の若尾文子。もう美しさ満開♡♡

若尾文子の写真集の若尾文子(文が変?w)

若尾文子・山下洵一郎

昭和のはじめ。福井の山村で竹細工職人だった父が亡くなり、21歳の喜助(山下洵一郎)がひとり残された。

そこへ芦原から来たという玉枝(若尾文子)が生前父にお世話になったと現れてお線香をあげて帰る。

 

年が明けて、竹細工を街の問屋へ売りに行った喜助は芦原まで足を延ばし、玉枝を訪ねる。彼女の名前しかしらない喜助に入った食堂の女は遊郭に行ってみたら?という。

客をひいている女に訪ねると花見屋という遊郭に玉枝がいるという。妹分のお光(中村玉緒)に玉枝の部屋へ案内されると玉枝はあの日以来身体の具合が悪いという。

部屋には見事な竹細工の人形が飾ってあり、玉枝はそれは喜助の父からもらったのだという。その細工は素晴らしく、喜助は思わず手に取って見惚れてしまう。

若尾文子・山下洵一郎

玉枝は19の年に島原へ出て、5年前に芦原へ来たという。

 

梅雨に入り、玉枝が気になる喜助はまた芦原を訪ねる。お光は玉枝は今、なじみ客と一緒だといい喜助は会うことができない。さらにその客が玉枝を身請けするかもしれないと訊くと喜助は身請けの金はいくらくらいかかるのだ?と訊くと150円くらいじゃないかというのだ。

身請けされて結婚するのかと訊く喜助の純情なところがよろしい。それに山下洵一郎という俳優さんも喜助の役にピッタリな感じ。

山下洵一郎・中村玉緒

喜助は150円を懐に入れまた玉枝を訪ねる。これで自由になって自分の村へ来て欲しいという喜助。玉枝は金は受け取らないが、父の命日までには返事してくれと約束して帰る。

夏・・・喜助の元へ玉枝がやってきた!

玉枝がきて喜ぶ喜助

美しい若尾文子

初夜の晩、喜助は寝床に入ろうとせず、玉枝がもってきた父が作ったような竹人形をつくるのだと言って結局寝床には来なかった・・・。そんな日がずっと続く。

ある日、街から問屋の旦那がやってきた。喜助の家にあった竹人形をみて見事な細工だといい京都の展覧会へ出すとなんと一等をもらった。表彰され、竹人形を美術工芸品として売りたいという京都の店主とも知り合い、喜助の家へその店の番頭を寄越すという。

 

早速京都から喜助の家へやってきた番頭の忠平(西村晃)。喜助は夜にならないと帰ってこず、玉枝ひとり家にいた。ところが忠平は玉枝が島原にいたころのなじみ客だった。用意した酒と肴で接待する玉枝に忠平は襲い掛かる!!!

 

何も知らない喜助だが、その後もずっと玉枝と寝床を一緒にすることはなかった。

ある晩そのわけを訊いた玉枝に自分の母親だと思っているのだと言ってしまう喜助。

面白くなくて喜助は芦原のお光を買おうとする。前に玉枝から喜助のことをきいていたお光は喜助の父は玉枝と何もなかった、来た時は私も一緒に3人で雑魚寝したんだから・・とウソを言うと喜助はつきものが落ちたように喜んで家まで夜通し歩いて帰る。

この時の中村玉緒の表情がよい。

 

朝方帰った喜助は玉枝を抱きしめて好きだと言うのだ。

ところが玉枝の具合がよくない。大きな病院で診てもらったほうがよいと喜助に送り出された玉枝はそこで妊娠が告げられる。忠平の子供だとすぐわかった玉枝。医者になんとか始末してくれないかと頼むが事情を知らない医者は大丈夫だからというだけだった。どうにかしなければと焦る玉枝は京都の忠平を訪ねて始末してくれる医者を知らないかというが、忠平はまた彼女を襲おうとする。

慌てて旅館を飛び出した玉枝は島原でやり手婆をしているおばさんを訪ねるが橋本へ行ったと言われる。渡し舟で橋本に行くがそこにもいなかった。

 

帰りの舟でどんどん具合が悪くなった玉枝は流産してしまい船頭(中村雁治郎)が始末してくれる。

この時の中村雁治郎、すでに総入れ歯だったのかもしれないがなんと入れ歯ナシ!で出演。監督の指示か?

若尾文子・中村雁治郎

最後は・・・怖い&哀しい。

山下洵一郎

若尾文子と共演した山下洵一郎という俳優さん、確か松竹の桑野みゆきと「恋とのれん」で出演してましたが、ネットで調べても画像すらでてこない。俳優は引退してしまったのだろうか。

妻二人 1967年 大映

監督 増村保造 脚本 新藤兼人

出演 若尾文子 岡田茉莉子 高橋幸治 伊藤孝雄 三島雅夫 江波杏子 木村玄

   長谷川待子 早川雄三 村田扶美子 

 

若尾文子岡田茉莉子

ひとりの男に妻二人! しかもその妻が若尾文子岡田茉莉子だよ!

お題からしてそそられた男性はさぞ多かったであろうと想像されます。

だんだんサスペンスになっていくのは面白いが、脚本が新藤兼人なんで突っ込みどころが散見される。橋本忍でお願いしたかった。

 

若尾文子江波杏子

作家志望だった青年、健二(高橋幸治)は順子(岡田茉莉子)という女性に生活の面倒を見てもらっていたが、婦人雑誌社に自分の原稿を持ち込んだことがきっかけとなって社長(三島雅夫)の長女で彼の秘書をしている道子(若尾文子)と結婚し、作家を断念して婦人雑誌社に勤めることとなった。健二の働きもよく、妻の道子も雑誌社で辣腕をふるい、彼女は新聞社からも取材を受けるようになる。

一方、順子は健二と別れた後、やはり作家志望の章太郎(伊藤孝雄)と付き合うが彼は順子に暴力をふるうような男だった。

 

謙二はある晩、帰宅途中に寄ったバーにいたのは別れた順子であった。具合の悪い順子を送って彼女のいる部屋へ行った健二。そこへ外から酔って順子の名を呼ぶ章太郎をみて健二は思わず章太郎を殴りつける。

 

ある日、順子から章太郎の原稿を見て欲しいと言われるが彼の小説はやはり使い物にならず、社に訪ねて来た章太郎に冷たくそのことを言う健二。そこへ道子の妹の利恵(江波杏子)が現れる。なんとなく利恵は健二に気のありそうなそぶり。利恵の誘いを断る健二だが章太郎が利恵と出かけることとなった。

その後、ふたりは付き合うようになるが章太郎の望みは利恵と結婚して良い思いをすることなのだ。利恵も章太郎に夢中になるが、健二も道子も章太郎との結婚は許さない。ところがなぜか父(三島雅夫)は結婚してもよいと言い出す。

 

道子は読者から恵まれない子供たちのために寄付を集めるが父が雇った元貴族の男、井上順吉(木村玄)とその妻、美佐江(長谷川待子)は金にだらしなく、結局集めた寄付の使い込みをしていたのだが・・・

 

どうしても利恵と結婚させたくない道子はある晩、章太郎に来いといわれた代々木のアパートへ行く。そこは順子がいた部屋だが章太郎は順子を追い出したのだ。彼はもう一つ部屋を借りており、順子は絶対にそこへ来てはいけないと言われていた。

利恵のことや父の秘密、さらに夫、健二と順子の関係を知らされた道子は利恵と別れることを条件に100万円の小切手を章太郎に渡すが、かれは小切手を受け取りさらに道子に暴行を働こうとする。ヒドイ男だ!

とっさに道子は章太郎が順子から取り上げたピストルで章太郎を射殺~~~。

 

このあたりからサスペンス満載になってくる。

 

省略

 

結局、順子が逮捕されるのだが、

「清く明るく美しく」という宝塚丸パクリのスローガンを掲げた道子はどーするのだ?

そして順子は事件当時自分と一緒にいてアリバイがあると知っている健二は??

 

大映映画なので若尾文子が「抱いて」というシーンが2回ある。

もう若尾文子に「抱いて」と言われて何もしない男がいるのか!(笑。

高橋幸治若尾文子

章太郎と会う道子のシーン。これは渋谷の宮下公園?かと思われます。

 

その夜は忘れない 1962年 大映

監督 吉村公三郎 脚本 白井更生 若尾徳平

出演 若尾文子 田宮二郎 角梨枝子 中村伸郎 川崎敬三 長谷川哲夫 江波杏子

   穂高のり子 若松和子 

 

 

勢古浩爾氏の「定年バカ」があまりにも面白くて「続 定年バカ」も図書館で借りてしまいました。

家でユーチューブやアマゾンプライムビデオ鑑賞してる日々ってだけでいいのか??と自問自答していたんですが彼は「それでよいのだ」とバカボンのパパのように言ってくれます。

日々、モヤモヤして自分も何か成し遂げないと・・・と思っているそこのあなた!

読む価値あります(笑。

午後はまた「続 定年バカ」を読んでこれまでの自分を笑いたいと思います。

 

 

広島系の作品は重すぎてあまり語りたくないというのが本音です。ただ若尾と田宮の悲恋が絡んでいるのはやっぱり大映ですね。

 

東京の雑誌記者、加宮(田宮二郎)は原爆投下から17年を迎えた特集号の取材のために広島へ。

現地には加宮の友人で脚本家?の菊田(川崎敬三)がおり、夜に菊田のなじみのバーへ連れていかれた。

そこでママのあき(若尾文子)と知り合った加宮は翌日、原爆症を研究しているという米国が作ったABCCという施設へ行く。

タクシーから降りるとなんとあきがもう一人の女性と歩いていた。

角梨枝子・若尾文子

ここへ何しに来たのか?と訊いた加宮にあきはお客様の集金だと答える。

加宮が六本指の赤ちゃんを産んだ女性を探しているというとあきは「ずいぶん残酷ね」と言うのだった。

加宮が取材した女性たちは顔にケロイドがあってももう原爆はなかったように明るかった。広島の町も人々もまるで原爆を忘れてしまったようにみえる。

六本指の赤ちゃんを産んだ女性も消息不明でもう東京へ帰ろうと思った加宮に菊田がその女性が安芸津にいるらしいと情報をくれる。

その夜、バーあきへ行ったがママはいなかった。従業員の話ではママは土曜日は休みでどこに行くのかわからないと言うのだ。

 

安芸津へ行き、女性の実家を探し当てた加宮だがっその女性の母親が赤ちゃんは1年前に死んだという。せめて女性に話を聞こうとすると奥から父親がでてきて来るなと言われる。

ひとり港で海をみているとなんとあきが立っていた。

あきは毎週土曜日に友人の多津子の置屋へ泊りがけで来るというのだ。

若尾文子田宮二郎

冷房もない部屋で汗をかいている加宮にあきは上着とワイシャツを脱げという。

加宮は多少躊躇しながらワイシャツも脱ぐが、若尾文子に脱げと言われたら脱いじゃうよね~。

帰りの列車の中で加宮は自分があきが好きだと(多分)確信するのだ。

 

明日は帰るという夜。加宮はバーを訪れる。そこにはあきと知り合いなのか業界紙の男だという金子(長谷川哲夫)がいた。金子はあきを呼び寄せると金の無心をする。

あの男はいったい彼女のなんなのだろう???

そこへ加宮が泊まっていたホテルでみた女が現れ、金子はあきからさきほどもらった金の一部を渡していた。あきが金子と口論をはじめ、割って入った加宮、そして店をでる。

この後、泣いてしまうシーンがあるのです。

広島の石とあきの身体のケロイド。

それでも加宮はあきを東京へ誘う。君のことは一生守るというのだ!

すぐに東京へ行こうという加宮だがあきは少し考えさせてくれといってその夜は加宮だけ東京へ帰った。

秋になった。ある日加宮があきに出した手紙が宛先不明で戻ってきた。

 

驚いて広島へ行く加宮だがバーにいたのは新しいママ(若松和子)だという女。

そこで安芸津置屋を訪ねる加宮にでてきた多津子の口からでたのはあきが死んだということだった。

 

最後はあきが広島の石だと言った河原?満潮だったが加宮は石を拾って握りつぶし男泣きに泣く。

なぜか最後のこのシーン、フェデリコ・フェリーニの「道」を思い出しました。

アンソニー・クインも男泣きでした。それ以来私は彼がイタリヤ人だとずっと思っていましたが、なんとメキシコ系アメリカ人だったんですね。

 

映画最初の頃のシーンでドームのそばで土産物屋?をしている店主は吉川清さんという人で、彼は「広島は原爆を売り物にしている」とアメリカのタイム誌に載っていたというそれでも商売をするのは原爆の恐ろしさを知って欲しいからだと言ってドームを指さすシーンがある。

 

原爆ドームを訪れた外国人に土産物を売る吉川氏

 

 

田宮二郎・吉川清氏

当時の広島の街もかなり映像で残されています。

田宮二郎が泊まっていたホテル

比治山からみた広島の街

 

燗 1962年 大映

監督 増村保造 脚本 新藤兼人 原作 徳田秋声

出演 若尾文子 田宮二郎 水谷良枝 船越英二 丹阿弥谷津子 藤原礼子

   浜村純 殿山泰司 倉田マユミ 市田ひろみ 中条静夫 

 

水谷良枝・若尾文子

若尾文子が浮気されてしまう!天下の美女でも浮気されちゃうのか!

 

キャバレーでナンバーワンだった増子(若尾文子)は羽振りの良い外車営業マンの浅井あ(田宮二郎)に囲われている。彼女は浅井に妻がいると知ったのは最近のことだった。浅井は妻と別れるというが、増子はそんな妻はかわいそうだと思ったりする。

 

家へ4日ぶりに帰った浅井に妻の柳子(藤原礼子)は詰め寄る。そんなお前が嫌いなのだと拒否する浅井を追い駆ける柳子・・・結局 浅井は慰謝料200万円を払い柳子と離婚し、すぐに増子と籍をいれた。妻となった増子のことを増子の同僚だった雪子(丹阿弥谷津子)は羨ましいという。彼女の夫、青柳(船越英二)は売れない作家で貧乏暮らし、たまに増子から金を融通してもらう雪子だ。

 

ある日、福島の田舎から姪の栄子(水谷良枝)がでてきた。なんでも田舎ですすめられている縁談も嫌だし、洋裁学校へ行きたいというのだ。

結局、英子と浅井、3人で暮らすことになった増子。

そこへ増子の兄で栄子の父が上京し、増子は田舎へ連れ戻される。

田舎でお見合いさせられたが真面目で広大な果樹園をもつ男に興味がない栄子はまた東京へでてきてしまった。

増子からしても申し分のない男との縁談を嫌だという英子。

 

おなじキャバレーの同僚で今は金持ちのおじいさんの妻となった芳子(弓恵子)に赤ちゃんができたと知った増子も子供が欲しいとふと思った。過去、妊娠しないようにした身体だが、芳子が診てもらっている医師を紹介してもらい、半月ほど入院すれば妊娠できる身体になるというので早速入院した増子だが、見舞いに現れた栄子の様子をみて

増子は急遽、アパートへ帰る。

そこでみたのは栄子と浅井の浮気現場であった!

この時の若尾文子が怖い(笑。

 

アパートにはもうおけないと栄子を追い出した増子だがうかうかしていると男を取られると雪子から言われ、英子を福島の縁談のあった男と結婚させようとする。

脅して暴力で屈服させるのだ。

しぶしぶ承諾した英子。結婚式は東京で挙げることになった。ところが結婚前に栄子は浅井の会社を訪ね、また関係を結ぶ。栄子も栄子だが、浅井も浅井だ(怒

 

無事結婚式をすませ、そのまま新婚旅行へいく栄子たちを見送り、浅井と栄子はアパートへ帰り、お茶を飲む・・・

終わり。

 

音楽といい、画像といいとにかく暗い映画。

浅井の最初の妻は岡山の田舎に帰り、気が狂ったあげく死んじゃうし(;^_^A。

 

中条静夫田宮二郎殿山泰司・藤原礼子

ところで増子・浅井・栄子の3人で浦和?でうなぎを食べに行くシーンがあるが、これが一皿一人前ってすごく多いよね!

うなぎがこれだけのった皿が3枚

しっかりその店の名前もアピール・・する代わりに撮影を承諾させたのだろうか・・

 

なんとこのお店、現在も(多分)同じ場所で営業してます。当時は藁葺きです!

1962年の小島屋

 

ラーメン大使  1967年 大映

監督 島耕二 脚本 花登筐 舟橋和郎

出演 フランキー堺 船越英二 清川玉枝 高毬子 渚まゆみ 市村俊幸 丸井太郎

   春川ますみ 中村是好 若水ヤエ子 

 

 

日中戦争。大陸で日本軍の兵士からお金をもらって出産した母。それから28年経って成長した中国人男性、王(フランキー堺)が横浜に降り立った。彼は自分の母の遺言で日本人からもらったお金を返すために停泊中の2週間、山川という男性を探すのだ!

 

って、これも面白くなさ過ぎて(好きなひと、すみませんw)見続けるのがつらかった。60年代後半になると出演者も違ってきて、70年代突入の過渡期です。

 

王は船長から知人に渡してくれと預かった唐辛子の袋をもっているが、それは麻薬を混ぜ込んだ唐辛子だったのだ。

そんなことを知らない王さんは警察官に声をかけられる。長島巡査(船越英二)は親切な男で事情を知ると自分の下宿で王さんを寝泊まりさせる。

下宿の一階は女主人、おしげ(清川玉枝)のラーメン屋だが、そのラーメンが不味いので王さんは代わってラーメンを作る。さすがに本場のラーメンは美味しく、王さんは一躍人気者に。

王さんが山川という日本人を探しながら、偽山川に会ったり、唐辛子を狙うギャング一味に狙われたりのコメディと王さんの恋の行方。

 

清川玉枝は古い女優さんで、入江たか子主演、1930年代の映画によくでていた。

生年月日はなんと1903年。1937年当時ですでに入江たか子のお姑さん役(女人哀愁)をしていたので逆にいつまでも老けた感じがしない。というか昔から老け役をしていたからか。

ところがこの映画の2年後、1969年に65歳で亡くなった。

フランキー堺・清川玉枝・船越英二

 

 

 

温泉巡査  1963年 大映

監督 原田治夫 脚本 高橋二三

出演 伊藤雄之助 川崎敬三 浜田ゆう子 姿美千子 角梨枝子 高橋元太郎

   潮万太郎 南利明

衛星劇場より

なんと、水戸黄門うっかり八兵衛高橋元太郎が若い巡査役で登場。ヤクザ者の川崎敬三が木から落ちたあと、鼻に大きな絆創膏を貼っているんだけど「コレコレさん」みたいだった。コレコレさんは配信者で私はユーチューブで切り抜き動画をよくみるのですが、相談者の相談にのったり、その嘘を暴いたりで聞いていて楽しい。

最近では文春砲で活動を停止している松本人志氏に30年前に被害にあったという女性の嘘を暴いた。彼女はなんと文春からも取材を受けて被害を記事にしたらしいがそのあと、コレコレさんにも訊いて欲しいとコンタクトを取ったのだ。

で、コレコレさんは鼻を半分に折ったマスクをしていて、(今、顔だしする時は普通にマスクをしている)それが川崎敬三の鼻に絆創膏シーンを見た時、コレコレさんみたいだと思ったのです。

コレコレさん化した川崎敬三伊藤雄之助・角梨枝子

一時間ほどの映画ですが、見終わるのに三日かかった・・・という(途中で見るのやめたので)つ〇らなかった作品。

温泉女中の高橋二三が脚本とあって温泉シリーズだったらしい。

 

とある温泉町。そこには風紀に厳しい望月警部補が目を光らせている。彼には一人娘のマリ(姿美千子)がおり、部下の小泉巡査(高橋元太郎)と仲が良い。

彼の功績が認められ、警視庁で表彰を受けた望月だが、警察署長(潮万太郎)は1週間ほど休暇をとって遊んで来たらと言うも、望月はすぐ帰ってくると聞く耳をもたない。

帰途の車内で町のチンピラ、森松(川崎敬三)は望月警部補をお色気でなんとかしようと途中下車させるべく偽のアナウンスで望月を呼び出し、防犯協会の会合にでてくれと

ある温泉宿へ連れて行く。

そこには防犯協会会員のふりをした犬丸組の女親分、千代(角梨枝子)の子分たちだ待っていた。その後、森松たちはあの手この手で望月を篭絡しようと企むが・・・

望月(伊藤雄之助)が泊まる旅館が修善寺の〇久旅館で現在も営業している。

 

 

こんなお土産屋さんて昔確かにありました。

 

修善寺の温泉街?

現在の修善寺



 

銀座カンカン娘 1949年 東宝

監督 島耕二 脚本 中田晴靖 山本嘉次郎

出演 高峰秀子 灰田勝彦 笠置シズ子 古今亭志ん生 浦辺粂子 岸井明

   服部早苗

 

高峰秀子笠置シズ子・岸井明

花粉症も佳境に入ってまいりました。思い起こせば1980年代中盤。私は絶対に花粉症でした。しかし世間一般に花粉症なる言葉はなく、もちろんお医者さんも知らない(少なくとも私の周りの医師)。春先になると鼻水とくしゃみがでるので、「先生、風邪ひきました!」で風邪薬もらってました。季節はまだ肌寒く、なんか寒気はするし(って、これ気のせいw)。それでもほんの一週間?くらいで症状が収まる。花粉症というのが世間に知れ渡ったのが90年代に入ってからだと思います。

80年代にエイズが世間を騒がせた時、花粉症だったのに近所の医者でエイズかと絶対疑った若い医者は私の症状(風邪で微熱が~←実際は微熱もないが)を訊いてのけぞり、近寄るのを避けられるような感じになったのを今でも覚えています。

 

戦後4年でつくられたこの映画。世田谷あたりだとのことですが、なにこの畑と点在する家。同じ場所は今や家だらけとなっているであろう(笑。

「銀座カンカン娘」の歌は知っていましたが、デコちゃんの歌であったのはこの映画で初めて認識しました。その後いろいろな人に歌われたんですがまさか高峰秀子が歌っていたとは!!

 

落語家の新笑(古今亭志ん生)は引退して妻のおだい(浦辺粂子)と孫娘のヒヨ子(服部早苗)と郊外に暮らしている。ヒヨ子の両親がいないのだが戦争で亡くなった?という設定なのでしょうか。

新笑の甥の武助(灰田勝彦)と2階には新笑が昔世話になった人の娘、お秋(高峰秀子)とお秋の友人のお春(笠置シズ子)が住んでいる。

お秋は画家、お春は声楽家になりたいがとにかくお金がない。

家には武助が拾ってきた子犬がいるがおだいは人間の食べるものだったないのに犬まで飼えないとお秋に捨ててきてくれという。

この当時、配給制だったんでしょう。

仕方なくお秋は犬を連れて捨てようとするが犬に追いかけられてすてられない。

たどり着いた先では映画の撮影をしており、お秋は犬と一緒に散歩しているシーンを頼まれる。さらに噴水の池に投げ込まれるシーンは女優さんが嫌がるので代役でお春を連れてきて見事、お春は噴水の中へ・・・二人で千円とお春は女優さんと同じワンピースをもらって喜んでいるが、そこへエキストラの白井(岸井明)と知り合って銀座で歌えばもっと稼げるという。

 

その気になった二人は白井と共に夜の銀座へ・・・

 

お話としては他愛なく、見どころと言えばデコちゃん、笠置シズ子灰田勝彦の歌のシーンと映像では殆ど残っていないという古今亭志ん生(2代目)の落語。

 

私はこの映画でのロケシーンが見どころでした。

なんと迎賓館に勝手に?入るシーンがある。戦後3,4年。行く人もあまりおらず(なにせ生きるので精いっぱい?)、警備も緩かった?のか??

噴水のシーンは過去、日活の映画でも見たことがある。あそこは迎賓館の中庭だったのか!!今なら映画の撮影なんてなかなか許可されないのでは?と思います。

なにもない住宅街

畑がたくさん

なんか懐かしい戸建て

バス亭へと続く道

世田谷の代田~梅が丘の羽根木公園(根津山)だそうです

迎賓館

都会の屋上ですがどこでしょうか。

灰田勝彦高峰秀子

当時はまだ養母に搾取されてた?デコちゃんの明るい笑顔(^^♪

高峰秀子

目でたく結婚し、新婚旅行へ行く夜

今、東京タワーで高峰秀子の大特別展開催してますが、なんと愛車のジャガーも展示してあるとか!ということは高峰邸の車庫は空ってことか。