日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

男たちの旅路第3部 1977年 NHK

第3部が一番面白いように思う。

一話 シルバー・シート

 

志村喬加藤嘉笠智衆殿山泰司藤原釜足 のおじいさん達が出演。

羽田空港の警備担当となった悦子(桃井かおり)と陽平(水谷豊)は同僚警備士から

ロンドンと呼ばれているおじいさんと出会う。そのお爺さん(志村喬)は昔、新聞記者でロンドンに駐在しており昔を懐かしんで羽田までやってくる。人恋しさで警備士に話しかけるが、皆迷惑がって相手にしない。そのことを聞いた悦子と陽平も2回目の時にはそそくさと席を立つ・・・。ところがそのおじいさんが倒れ、亡くなってしまった。

 

悦子と陽平はなんだか罪悪感にとらわれるのだ。彼の住まいである老人たちが暮らすアパートを訪ねる二人。そこは老人ホーム?のようで彼の知り合いだというおじいさん達に酒をふるまわれるが・・・。

 

この話は見た時の年令によって思うことが違ってくる気がする。

私はちょうど、おじいさん達と吉岡司令補(鶴田浩二)の年令の中間なのでどっちの言い分もわかる。現実的過ぎて哀しい(;^_^A。

志村喬

都電に立てこもった老人を説得する司令補だが・・

藤原釜足は元都電の運転手だった役。好きだなぁ~釜足!

第2話 墓場の島

「墓場の島」が大ヒットし、一躍スターとなった戸部竜作(根津甚八)だが、彼を見出したマネージャーの和泉(高松英郎)の注文や監視に嫌気がさし、どうせ一発屋で終わるなら自分から引退して辞めてやるんだと彼のガードマンとして配属された陽平に打ち明けるが・・・。ここでは高松英郎鶴田浩二が特攻隊で顔見知りということになっている。考えてみれば1977年当時、戦争に行った人がまだバリバリ現役で働いていた時代なんだよね~。

鶴田浩二・水谷豊・高松英郎

第3話 別離

 

これね、悦子が死んじゃうんだけど(ネタバレ)。

陽平から悦子にプロポーズを頼まれた吉岡司令補。悦子をレストランに誘い、陽平の件を言うが悦子は不満そうだ。帰りのタクシーで悦子が突然荒川線沿線でおろしてくれと暗に司令補のアパートへ行きたいことをいう。

困る吉岡司令補だが強引にアパートへ泊る悦子。吉岡はもちろん座ったまま寝てしまい、なにもないがそこへ陽平が昨夜の返事を聞きに来る。悦子が布団にいることを知り

ビックリ、怒る陽平だが・・・・

吉岡は悦子から告白され・・・自分も悦子を好きなのだと思う。

ただ自分の年令を考えるととても実行に移せない。。

 

この話も見る年齢によって感想が違うと思うんだけど、どーも年がいってくると

悦子の死に際、吉岡が悦子に「一緒になろう」とプロポーズ。

「元気になったら、一緒に住もうな・・・」というと安心したように悦子は死んじゃうんだけど、そんなクサいセリフでも鶴田浩二が言うとなんだか前頭葉が緩んだ(笑。

あのセリフがうまかったんだよね~。好きだなぁ~鶴田浩二

巣鴨新田

 

その後、彼は誰にも行き先を告げずアパートを引き払い、汽車に乗って荒川大橋を渡って去る。第3話で本当はこのシリーズが終わる予定での脚本だが、その後第4部が作られ、どーなるんだろうと思うけれどなんと第4部の再放映がない(笑。

見たい!

ただ動画サイトでスペシャル版がアップされていた。

すでに残るは柴俊夫だけで、清水健太郎と本間優二が登場。岸本加世子と揺れるまなざしの(古)真行寺君枝ハナ肇なんかが出演。

 

ところで鶴田浩二というと東映任侠映画しか思い浮かばなかったけれど古い邦画をみるようになると松竹では美男子のモテ役だ。ネットによると池部良を抑えて堂々のプロマイド売り上げナンバーワンに輝き、三羽烏のひとりだったのだ!(鶴田浩二高橋貞二佐田啓二

ファミリー劇場より