日本映画1920-1960年代の備忘録

1920年代の無声映画から1960年代前半の日本映画

悪名一番  1963年 大映

監督 田中徳三 脚本 依田義賢

出演 勝新太郎 田宮二郎 江波杏子 雪代敬子 芦屋雁之助 芦屋小雁

   芥川一郎 丸井太郎 名和宏 安部徹 藤原礼子

 

 

毎晩邦画は見ていますが、年末に向けてなんだか忙しい。もう一番いやな季節。

特にこの一週間は落ち着かない。スーパーやらデパートやら町の商店に年末からお正月にかけてのもっぱら食料の買い出し。毎年、毎年めんどくさっ(笑。

 

で、悪名第8作。日本映画専門チャンネルの放映の順番がおかしいんで第11作とか見ちゃってて、この物語はまだ藤原礼子が登場。ただし出番は多くない。

 

なんと朝吉親分、東京へ!!!!

悪名って、松竹でいえば寅さんみたいなシリーズ。まぁ寅さんのように長くは続かなかったけれど。よーく考えてみると朝吉親分、戦争に2回ほど行ってるけど戦後、それも昭和38年でもあの若さってどーよ??と思うんだけど(いったいいくつだい??笑)

そんな疑問もふっとぶくらいこの第8作はなかなかおもしろかった。

 

ある金融会社に金を預けた大阪の庶民。しかしいざ金とおろそうとすると社員が一億円持ち逃げしてお金がない・・・という。なので皆、返すべき借金は返せない。

そこで朝吉親分は困った人たちを助けようと本社のある東京へ清次を連れて汽車に乗る。

 

ここでは悪者のひとりとして名和宏が出演しているが、彼、日活のスターとして売り出したはずだけどもう悪役になっていた・・・。葉山良二系だけど葉山良二よりごつい感じだからか??

 

この回ではおかまの芥川一郎が夜の東京で清次の袖をひき、見事再会したり、芦屋雁之助・小雁も朝吉親分が逗留した東京の台場組にいたりでとにかく毎作みてないと話(登場人物との関係性)がわからないようにできている(;'∀')。

 

 

悪名波止場 1963年 大映

監督 森一生 脚本 依田義賢

出演 勝新太郎 田宮二郎 滝瑛子 紺野ユカ 水原弘 藤原礼子 清川虹子

   藤田まこと 青山ミチ 弓恵子 杉狂児 ミス・ワカサ 吉田義男

 

スカパーより

   

第12作のあとに第7作を放映する日本映画専門チャンネルってどうよ?

 

四国から帰りの船内で、イカサマ博打をする男(藤田まこと)をいなした朝吉と清次。

その男がおりた波止場でまたまた弱き女性を助けるのが朝吉なのだ。

 

今回はそのイカサマ男の妹で麻薬中毒のおとし(紺野ユカ)と一緒に住んでいるホステスの悦子(滝瑛子)を助けようとする朝吉親分!

 

おとしの兄は土地のヤクザの金をもって姿を消す。その金を返すために朝吉はそのヤクザ者、鬼瓦の下で波止場で働くことにするのだが、全てが鬼瓦とボスの社長(伊達三郎)に吸い取られるシステムとなっている(笑。

 

水原弘wikiかなんかで読んだけれど、ものすごい売れっ子の時に勝新太郎のように銀座?あたりで散財し、やはりヤクザ者から金を借りてもうあまり売れなくなってもドサ周りで身体の具合が悪くても借金返済のために頑張ったあげく亡くなったという。

大映映画で知り合ったのかね、勝新と・・・。

 

アマゾンより

 

悪名桜   1966年 大映

監督 森一生 脚本 依田義賢

出演 勝新太郎 田宮二郎 酒井修 市原悦子 多々良純 沢村貞子 須賀不二男

   藤岡琢也 

 

日本映画専門チャンネルより

 

シリーズ12作目。なんと朝吉と清次が焼き鳥屋になっていた(笑。

 

暴力団に不利な記事を書いた新聞記者を不良少年たちに襲わせた現場にいた朝吉と清次。救われた新聞記者がそのことを記事に書き、朝吉はみなの人気者となったが、気に食わないのがそのヤクザ者だ。

そこで不良の猛(酒井修)に朝吉殺しを依頼するが、刺しそこね猛は朝吉が預かることにする。清次は反対だがいちど面倒をみるという朝吉の考えは変わらない。

そこへ八尾から隣に住んでいた幼馴染の菊枝(市原悦子)がやってくる。

なんと朝吉の父が亡くなったという。そして八尾の母も兄も朝吉に墓参りなどしてほしくないと言っていることを伝える・・・。親不幸をした朝吉はなんとか猛には自分のようになってほしくないと奮闘するが、猛は勝手に朝吉の元からいなくなってしまう。

 

猛の実家は朝吉たちが開いているやきとり屋の貸主で、質屋を営んでいるが土地のヤクザとも付き合いがあり、貸家の跡に娯楽施設をつくろうと相談に行く。

 

猛は敵対するヤクザ組織に入りたくて相手の組員を射殺・・・

そのあと頼ったのが朝吉だが朝吉が自首をすすめ、警察へ行く途中、殺しを依頼した組組織に射殺され死んでしまう・・・。

 

菊枝は悪い男に騙され、子を宿していたが朝吉と一緒になればなんとかなると思ってやってきた。清次は子の父が朝吉だと勘違いして朝吉とケンカ・・・。

 

最後は猛の仇と街の悪い奴を一掃しようと朝吉、清次が大暴れ。菊枝は八尾に帰りなんと三つ子を産んだという。

 

突然、朝吉が焼き鳥屋になっているんだけど、その後焼き鳥屋はどうなったのだ?(笑。やたらと外食に行くのが謎だった(;'∀')

今回のマドンナは地味な市原悦子

 

アマゾンより

 

猛役の酒井修という俳優さん、見たことあるなと思ったらすでに亡くなっているようで

勝新太郎に可愛がられて大映倒産後も結構映画出演をしていたそうだが、勝新太郎のマネージャーと一緒に1978年にアヘン所持で逮捕されその後は芸能界から姿を消したという。なのでwikiもない。

左のイヤホンをしているのが酒井修 オークフリーより

 

血とダイヤモンド  1964年 東宝

監督 福田純 脚本 小川英 間藤守之

出演 宝田明 佐藤允 志村喬 中川ゆき 水野久美 藤木悠 石立鉄男 夏木陽介

   砂塚秀夫 田崎潤 中北千枝子

 

日本映画専門チャンネルより

東宝がつくったらこうなる!なアクションもの。当時のノワール映画だという・・(私、よくわからない)

日ごろから日活サスペンス・アクションを見ているのでなんだかこの映画はスピード感に欠ける気がする。挿入されている音楽は素敵だが(笑。

 

神戸税関から運び出されたダイヤモンドの原石(当時、3億超えの時価)がギャングによって盗み出された。

その行方を追う興信所を経営する探偵の黒木(宝田明)は質のよくない男で顧客を脅したりしている。ダイヤモンドを探すのも自分から売り込みにいって7000万円で仕事を請け負うのだ。

 

一方、逃げたギャングのボスの小柴(佐藤允)は手下の手代木(砂塚秀夫)の不手際から撃たれ、負傷していた。同じ仲間の跡部藤木悠)は抜け駆けしようとする。

小柴をアニキと慕うジロー(石立鉄男)だけは小柴に従順で手術ができる医者を探しに

手代木とともに夜の街へ。目に入った医院へ行ったが、医者の秋津(志村喬)は大学病院へ手術をしに行っており不在。そこへ帰ってきた大学生の娘、津奈子(中川ゆき)を拉致して秋津を迎えにこさせ、ふたりとも隠れている倉庫へ連れていく。

 

黒木は怪しいと思う女、利恵(水野久美)の勤めるレストランで張り込む。利恵はギャングの小柴の情婦で取引の連絡役もしていた・・・。

黒木の探偵事務所。こんな事務所って昔たくさんあった気がする(弁護士事務所も含めて)

 

ギャングを追う刑事で夏木陽介がでるが、警察や刑事の描き方が雑だった。

一番悪い男は・・・・の結末は面白かったけど、日活でつくったやつを見てみたいと思った(笑

 

日本映画専門チャンネルより

オークフリーより

 

ならず者  1964年 東映

監督 石井輝男 脚本 石井輝男

出演 高倉健 丹波哲郎 江原真二郎 杉浦直樹 加賀まりこ 三原葉子 南田洋子

   赤木春恵

 

U-NEXTより

健さん、今度は殺し屋だ。日活なら宍戸錠なんだろうね(笑。

 

香港で仕事をした健さん。報酬を支払うと言われたホテルの部屋へ行くと女の死体が転がっていた・・・。そこから売春組織などの話など広がっていき・・・

 

香港、マカオでロケしていてお金かけてます!

三原葉子って新東宝のあとに東映映画にたくさんでてたんだね~。まだまだお色気ムンムン、だからといって「落ちたなぁ」という感じの使われ方でもなかった。

 

なんといっても加賀まりこが可愛さマックス。

先日亡くなった江原真二郎出演♪♪

ポスターのキャストであがっているうち、生きているのは加賀まりこ今井健二を残すのみ・・・↓

 

オークファンより

 

 

極楽島物語  1957年 東宝

監督 佐伯幸三 脚本 長瀬喜伴 新井一

出演 宝田昭 佐原健二 河津清三郎 草笛光子 宮城まり子 雪村いづみ 

   有島一郎 益田キートン 岩井半四郎 三木のり平

 

カラー映画なのに宣伝写真が白黒?ってのがわからん(笑。↑

 

太平洋戦争中に流れ着いた南の島で島の娘と恋におちる日本兵・・・。

 

基本、ミュージカルなんだけど、日本兵がたくさん南洋の島へ送られて戦死しているが

西銀座駅前なんかだと主人公がいまだに南の島の娘と戯れる夢をみたりするシーンがあったり、まぁ、日本兵の夢?みたいなのも多分にあると思うけれど、実際、タイとかカンボジアあたりに終戦後も残った日本兵がいたからあながち現地の娘と恋に落ちるって物語も全て作り話ともいえなくもない・・かも・・。

 

雪村いづみも島も娘で出演するが、一瞬、中原早苗かと思った(笑。

 

 

秋日和  1960年 松竹

監督 小津安二郎 脚本 野田高梧 小津安二郎

出演 原節子 司葉子 岡田茉莉子 佐分利信 中村伸郎 北龍二 桑野みゆき

   佐田啓二 桜むつ子 渡辺文雄 笠智衆 沢村貞子 三宅邦子 岩下志麻

www.shochiku.co.jp

 

五番町夕霧楼を見てしまい、大泣き(笑。

 

で、秋日和。昨夜 彼岸花を見たんだけれど、セットが全く同じだった・・・。

そしていつものメンバー。今回は未亡人(原節子)と娘(司葉子)の結婚の話。

娘は母ひとり残していけないと結婚には興味がないといい、母はそんな娘の行く末を心配する。亡くなった夫の七回忌で集まった学友、佐分利信中村伸郎、北龍二

娘にいいお婿さんをと紹介する・・・・。

原節子は40歳になるかならないかの時でまだまだ美しい。映画でも男三人が彼女の美しさ、若さを褒める。元々彼女は(東大と思わせる場所=本郷)薬局の娘で、大学時代の3人が彼女目当てに通った?という。ところが同級生の三輪という男性と彼女は結婚、娘をもうけるが亡くなってしまう。

 

娘がその気にならないのは母が気になるからと、今度は原節子にも再婚させようと

佐分利信中村伸郎は妻に死なれた男やもめの大学教授、北龍二を候補に挙げるが

龍二は親友だった人の奥さんはもらえない・・と最初は断る。しかし家に帰って息子(三上真一郎)に相談すると原節子なら大賛成だという。それにいつまでも父親が一人だと自分が結婚したあとにメンドクサイから再婚してくれと言われる(笑。

その気になった北龍二は早速佐分利信を訪ねて、話を進めてもらおうとするが二人に色々いじられるのが面白い。

 

筋書きは彼岸花と似たような話だった。ところどころ笑えるところをちりばめている。

控えめな笑いは好きだな。

 

原節子は1962年の忠臣蔵の映画を最後に映画界から姿を消した。

 

岩下志麻佐分利信のいる重役の部屋へ案内する女性社員?だった。

 

松竹より